[東京 30日 ロイター] -
<10:23> 英ポンド145円半ば、バルニエ発言はショートの巻き戻しを誘発
英ポンド/円は145.53円付近。
前日は欧州連合(EU)のバルニエ首席交渉官の発言を受け、英ポンドは142.81円から145.57円まで急騰した。
市場ではこの英ポンドの反応に対して、「バルニエ氏は同じ趣旨のことをこれまでにも述べている。前例のない関係を築くと言うが、ブレグジット(英国のEU離脱)自体が前例のないことであり、それは当然だ」(FXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏)との声があった。
英ポンド急進の理由として、バルニエ氏の発言内容というよりも、発言をきっかけに、「それまでに累積していた英ポンド・ショートが一気に巻き戻された可能性がある」(同)という。
9月20日のEU首脳会談では、英国のEU離脱条件が協議される予定だが、明確な進展がみられない可能性がある。バルニエ氏は「転ばぬ先の杖として発言した可能性がある」(国内金融機関)との指摘が出ていた。
バルニエ氏は29日、ドイツのマース外相との会談後、「他のどの第三国とも交わしたことがないような相互関係を英国に提供する用意がある」とし、外交・安全保障のほか経済関係を含む可能性があると指摘。また「英国の譲れない一線は尊重する」と述べる一方で、英国がEU側を尊重する必要もあるとし、「選り好みができる単一市場はない」と強調した。
ドルは111.70/72円付近で膠着状態が続いている。
<09:28> ドル111円後半、加ドルは86円半ば NAFTA協議注視
ドルは111.70円付近。月末の五・十日に当たるこの日は実需のフローが期待されている。
一方、このところ上昇が続く加ドル/円は86.50円付近。7営業日連続で上昇した後、現在は高値圏でのもみあいとなっている。
北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に当たり、トランプ大統領とカナダのトルドー首相は29日、期日としている31日までの合意は可能との見方を示した。
米国、カナダ、メキシコの3カ国によるNAFTA再交渉を巡る協議は6月に暗礁に乗り上げた後、メキシコと米国が2国間協議を再開し、今週27日に合意を発表。カナダは28日から協議に加わっている。
この間、加ドルは堅調で1ドル=1.31加ドル台から現在は1.2906加ドルまで強含んでいる。
メキシコペソも上昇し、一時は1ドル=18ペソを上抜けるとの見方が広がったが、現在は18.96ペソと弱含んでいる。前日はトルコリラや南アランドと足並みを合わせて下落し、19ペソ前半を付けた。
<07:35> ドル111.20─112.20円の見通し、ポンド/円の急騰がドル/円を下支え
ドル/円は111.72円付近、ユーロ/ドルは1.1708ドル付近、ユーロ/円は130.78円付近。
きょうの予想レンジはドル/円が111.20―112.20円、ユーロ/ドルが1.1660─1.1760ドル、ユーロ/円が130.20―131.40円とみられている。
前日の海外市場では、英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、EUのバルニエ首席交渉官が英国と前例のない密接な関係を築く用意があると表明し、これをきっかけに英ポンドが急騰。英ポンド/円も142.81円から145.57円まで急進した。
ドル/円は英ポンド/円での円安の支援を受けて、111.83円と約1カ月ぶり高値を付けた。
きょうは「前日海外市場からの円安の流れが続くのか、また、月末五・十日の実需のフローがどのくらい出るのかに関心が集まってくる」(外為アナリスト)という。
「112円を巡る攻防に持ち込みたい参加者もいるだろうが、前回112円台での滞空時間が短かったこともあり、112円台では戻り売りや調整売りも出そうだ」(同)との声がある。
前日の海外市場では、第2・四半期の米国内総生産(GDP)改定値が年率換算で前期比4.2%増と、速報値の4.1%増から上昇改定されたが、ドルは目立った反応を示さなかった。
一方、市場ではトランプ大統領の予測不可能な行動や不規則発言といった「トランプ・リスク」が引き続き意識されている。
トランプ大統領がツイッターに29日投稿したホワイトハウスの声明によると、大統領は中国が北朝鮮にかなりの支援を行っているとみているほか、米韓軍事演習を行う理由は現時点ではないと認識している。
トランプ大統領は29日、ホワイトハウスのドン・マガーン法律顧問が今週退任すると発表。マガーン氏は2016年の大統領選で重要な役割を担ったが、ロシアの大統領選介入疑惑を巡る捜査に自主的に協力したことが引き金となり、トランプ氏との関係が悪化していた。
全スポットレート(ロイターデータ)
アジアスポットレート(同)
欧州スポットレート(同)
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