[東京 25日 ロイター] -
<15:40> ドル110円後半、準備預金金利めぐる前NY連銀総裁発言で思惑
ドルは110.79円付近ときょうの安値圏。
午後3時までは「上がったら売り、下がったら買い」(外国銀)という方向感に乏しい値動きだったが、欧州勢の参入でややドル売りが先行している。
市場は今夜発表される5月の米コア個人消費支出(PCE)価格指数に関心を寄せている。
市場の一部では、前日に伝わった前ニューヨーク連銀総裁の発言が話題を呼んでいる。
ダドリー前ニューヨーク連銀総裁は前日、ブルームバーグテレビとのインタビューで、金融政策の手段として、フェデラルファンド(FF)金利よりも準備預金金利を重視すべきとの考えを示した。
ダドリー氏は、金融政策の正常化に向けて、米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートを適正水準まで縮小するには相当時間がかかるとの認識を示したうえで、FF金利のような「時代遅れの金利」よりも、準備預金金利を金融政策のツールとして使うべきとした。
FRBは15-16日のFOMCで、金融機関の準備預金のうち超過準備分に支払う金利IOER(Interest On Excess Reserves)を0.10%から0.15%に引き上げることを決めた。
これを受けて、銀行間で取引されるFF金利も上昇する可能性があるが、パウエル議長はIOERの引き上げは、金融政策のスタンスと関連したものではないとの認識を示している。
一方市場では、IOERの引き上げは「ゼロ金利政策解除のファーストステップ」(国内銀ストラテジスト)との意見も出ていた。
<14:08> ドル110円後半、米コアPCE価格指数に注目
ドルは110.87円付近。
早朝から110.80―110.99円のレンジ内での取引となっている。
市場では「米長期金利の方向性がなかなか定まらないので、ドル/円も決め打ちができない状況に陥っている」(外為アナリスト)という。
こうした中、今夜発表予定の米個人消費支出(PCE)価格指数が注目されている。
米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食品・エネルギーを除くコアPCE価格指数(デフレーター)は4月に前年同月比で3.1%上昇し、1992年7月以来の大幅な伸びを記録した。総合でも前年比3.6%上昇した。
3月のコアPCEデフレーターは前年比1.8%の上昇だったが、4月はFRBの目標である2%を大幅に上回っており、5月の実績が注目されている。
もっともFRBは昨年8月に、ゼロ金利政策を長く続けるため、2%の物価上昇率を目指す従来の政策指針の修正を決め、新たに「一定期間の物価上昇率を平均で2%とする」考えを示している。
このため、コアPCEデフレーターが一定期間2%を上回ったとしても、拙速に量的緩和を縮小したり利上げしたりする可能性は小さいとみられる。
<12:02> 正午のドルは110円後半で小動き、材料乏しく様子見ムード
正午のドルは前日NY市場午後5時時点(110.86/89円)に比べてほぼ横ばいの110.86円付近で推移。午前の取引では国内輸入企業のドル買い需要が高まり、一時110.98円の高値を付けたが、その後は一進一退の動きが続いた。きょうは新規材料に乏しく、週末を控えていることから様子見姿勢も強いという。
市場からは、「ドルはいつでも111円台にトライできる水準であることは間違いないが、111円台を維持するには強材料が必要」(楽天証券・FXディーリング部、荒地 潤氏)との指摘が聞かれた。強い材料としては、米長期金利の力強い上昇や米雇用統計などが挙げられるという。
来週には米国で6月雇用統計の公表を控えており、「米雇用統計で市場予想を上振れる良好な内容が確認できれば、ドル買い進行につながる可能性がある」(荒地氏)との見方が出ていた。
現在、ユーロ/ドルは1.1937ドル付近、ユーロ/円は132.35円付近で取引されている。ユーロ/ドルは節目の1.20ドルを下回り、上値の重い展開が続いている。
<11:25> 英ポンド/ドルは1.39ドルでもみあい、英中銀は大規模緩和維持
英ポンド/ドルは1.3931ドル付近で小動き。
24日、イングランド銀行(英中央銀行)は金融政策委員会で、経済活動の再開に伴いインフレ率が3%を超えるとの見通しを示したものの、中銀の目標水準を超える物価上昇は「一時的」とし、政策金利と資産買い入れ枠を現行水準に維持することを決定した。
英国では新型コロナワクチン接種が進展していたことから、経済回復も進み、「英中銀がタカ派的な姿勢にシフトするのではないかというマーケットの期待があった」(国内証券)という。
前日の海外時間では英中銀会合後に英ポンド/ドルが下落する場面があったが、市場の期待が先行していた分、失望売りにつながったとの見方が出ていた。
また、英国ではワクチン普及が進む一方、変異株の感染が広がっている。「変異株の感染拡大など不透明感が高いことも、英中銀のタカ派シフトに重しとなった可能性がある」(前出の国内証券)という。
<09:15> ドル110円後半、ユーロ/ドルは停滞気味で上値重い
現在、ドル/円は朝方から小幅にドル高/円安の110.95円付近で推移している。きょうは商業決済が集中しやすい五・十日にあたるため、仲値公示にかけては「国内輸入企業のドル買いと国内輸出企業のドル売りが拮抗するのではないか」(FX会社関係者)という。
きょうの取引でもドルは111円台をトライする場面がありそうだが、米長期金利が1.49%台でもみあいとなっていることから、ドル上昇の勢いは限定的になるとの見方が出ていた。
一方、ユーロ/ドルは1.1928ドル付近で推移。先週のFOMC(米連邦公開市場委員会)後にユーロは節目の1.20ドルを下回り、その後は停滞ムードが強い。
「1.20ドル台を下抜けたしたことで、1.19ドル後半では利益確定売りも出やすい」(国内金融機関)との指摘が聞かれ、ユーロは上値の重い展開が続きそうだという。
<07:54> ドル110.50─111.30円の見通し、111円台定着には慎重
きょうの予想レンジはドル/円が110.50―111.30円、ユーロ/ドルが1.1880─1.1980ドル、ユーロ/円が131.80―132.80円付近。
現在、ドル/円は110.86円付近、ユーロ/ドルは1.1930ドル付近、ユーロ/円は132.29円付近で推移している。
前日のNY市場では、ドルが安定的に推移した。市場ではインフレが高止まりした場合に米連邦準備理事会(FRB)は一段と積極的に対応するのか、探る動きが出ている。主要6通貨に対するドル指数は91.790と、ほぼ横ばい。
FRBが先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを2024年 から23年に前倒してから、FRB当局者はインフレを巡る様々な見解を表明。
また、24日はフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、米経済が昨年の落ち込みから急速に回復する一方、労働市場については一段の改善が必要という認識を示した。
きょうのドル/円相場は111円を挟んでもみあう展開が予想されている。上田東短フォレックス・営業推進室長の阪井勇蔵氏は、ドル/円は110.70円付近では押し目買いも入り底堅さを維持するものの、111.10円付近では上値の重さが意識され、「111円台定着には慎重」だと指摘。
ドル111円台は約1年3カ月ぶりの高値圏であるだけに、「買いポジションを持ちづらい」(阪井氏)という。
米10年債利回りは1.5%を下回る水準で推移。阪井氏は、「力強い金利上昇がなければ、ドルが上値を追う状況になりづらい」との見方を示した。
主なスケジュールでは、国内では1─3月資金循環統計速報(日銀)、6月東京都区部消費者物価(総務省)が公表予定となっている。海外では、米国で6月ミシガン大消費者信頼感指数確報値が発表される予定。
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