[東京 1日 ロイター] -
<09:19> ドル111円前半で小動き、米労働市場の動向に関心
ドルは朝方からほぼ横ばいの111.10円付近で推移。現時点では、上値を追う雰囲気はみられていないが、111円台を維持し下値も底堅い。
今朝発表された6月日銀短観では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス14、非製造業がプラス1となり、ともに4期連続の改善だった。事業計画の前提となっている想定為替レート(2021年度)は、ドル/円が106.71円、ユーロ/円が125.27円。
市場からは、今晩米国で公表される新規失業保険申請件数に関心を寄せる声が聞かれた。昨日発表された6月ADP雇用統計が市場予想を上回る内容だったことから、新規失業保険申請件数や明日公表の雇用統計への期待感が高まっているという。
「新規失業保険申請件数が市場予想よりも改善していれば、ドル買いが進む可能性が高い」(FX会社関係者)との意見が聞かれたが、明日の雇用統計の結果を見極めたいとの思惑から、111円台後半に向けて大きく上昇するのは難しいとの見方が出ていた。
<07:49> ドル110.70─111.50円の見通し、111円台維持か注目
きょうの予想レンジはドル/円が110.70―111.50円、ユーロ/ドルが1.1810─1.1910ドル、ユーロ/円が131.20―132.20円付近。
現在、ドル/円は111.10円付近、ユーロ/ドルは1.1855ドル付近、ユーロ/円は131.72円付近で推移している。
前日のNY市場では、ドルが2カ月半ぶりの高値を付けた。月間では約3%高と2016年11月以来の大幅な上昇を記録。米連邦準備理事会(FRB)の予想外のタカ派シフトと新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染拡大を巡る懸念が材料視された。
30日は雇用指標が予想を上回ったこともドル上昇を支援した。企業向け給与計算サ ービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリテ ィクスが30日に発表した6月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が69万2000人 増と、市場予想の60万人増を上回った。
きょうの為替相場では、ドル/円が111円台を維持し、上値を試す動きが活発になるかが注目される。
上田東短フォレックスの営業推進室長・阪井勇蔵氏は、昨日の海外時間では月末・四半期末のドル買いフローなど実需の動きがドル高を支えたと指摘し、「月末で特殊な動きだったため、米市場の流れを引き継いで、東京時間でドル買いがどこまで進むかが焦点になりそうだ」と話した。
ただ、米10年債利回りは1.46%台で推移し、節目の1.5%を下回っていることから、「金利の水準からみるとドルはやや割高感も意識されそうだ」(阪井氏)といい、短期筋などのドル売りが出る可能性もある。
一方、新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染拡大が懸念され、ユーロなど欧州通貨はやや軟調に推移する見通し。
欧州などに比べると米国はまだ変異株の感染が抑えられているため、相対的にドルが買われているという。
主なスケジュールでは、国内では6月日銀短観が公表される予定。海外では、オーストラリアで5月貿易収支(連邦統計局)、米国で新規失業保険申請件数(労働省)、6月ISM製造業景気指数(ISM) が発表予定となっている。
全スポットレート(ロイターデータ)
アジアスポットレート(同)
欧州スポットレート(同)
通貨オプション
スポットレート(ロイター・ディーリング約定値)
スポットレート(日銀公表)
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