[東京 30日 ロイター] -
<16:31> IMFの成長率上方修正、円高手がかりの思惑
市場では、国際通貨基金(IMF)が前週に公表した世界経済見通しの中で、日本の成長率を上方修正したことが、円高の手がかりになり得る話題として関心を集めている。
IMFによると、今年の日本の成長率予測は1.2%。前回10月から0.5%の大幅引き上げとなった理由は「外需予測の上方修正」だった。そのシナリオ通り輸出増が大きく寄与するなら、為替市場では「実需の円買い圧力が強まりかねない」(トレーダー)との見方だ。
午後3時過ぎに108.61円まで売られたドルは現在108.70円付近。欧州市場序盤になって値動きが落ち着いてきた。
<13:48> ドル108.66円まで下落、オプション市場も円高を示唆
ドルは午後も上値の重い展開。日経平均が下げ幅を拡大し、米10年債利回りがアジア時間の取引で小幅低下したことなどを背景に、一時108.66円まで下落。日中安値を更新した。
通貨オプション市場でも急速に円高への警戒感が強まっている。ロイターデータによると、ドル/円のインプライド・ボラティリティ(予想変動率)は1週間物が10%半ばと昨年9月以来、1カ月物が8%半ばと同11月以来の水準へ上昇。プットオプションとコールオプションの売買の傾きを示すリスクリバーサルも、1カ月物が昨年10月以来の水準へ低下した。参加者の間で円高進行をヘッジする動きが活発化してきた。
<12:00> 正午のドルは109円前半、米長期金利が再び3年9カ月ぶり高水準
正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点に比べ、小幅にドル高/円安の109.08/10円。
朝方108円後半で推移していたドルは、実需のフローに支えられ109.07円まで上昇した。その後いったん弱含んだが、正午にかけて米10年国債利回りが上昇基調となると連れ高となった。日経平均株価の下落は材料視されなかった。
「前日は対英ポンドや対ユーロでドルの買い戻しが優勢となったので、きょうもその流れが基本的に続いている。ドルが109.20円をしっかり上抜けられるかが焦点だ」(FX会社)という。
米10年国債利回りは一時2.7329%と、前日の2.7270%を上抜け、2014年4月以来、3年9カ月ぶりの高水準に達した。
米長期金利上昇の背景は、きょう予定されるトランプ大統領の一般教書演説を控えて、米財政赤字の悪化を見込んだ投機的な売りや、米連邦準備理事会(FRB)がきょうから2日間の予定で開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気判断を引き上げるとの思惑などがあるという。 超党派の米非営利組織「責任ある連邦予算委員会」(CRFB)は、2019会計年度の連邦財政赤字が1兆ドルを突破するとの試算を発表した。財政赤字が1兆ドルを記録すれば2012年以来となる。
<11:20> ドル108円後半、実需のフロー一巡後はじり安
ドルは108.85円付近。
過去数日間にわたって流入しているとされる実需のフローが一巡したあとは、再び108円後半に反落した。これまでの高値は109.07円だった。
「月末の五・十日でもう少ししつこくドル買いフローが出ると思ったが、わりと短期間に収束してしまった」(国内銀)という。
ユーロは1.2383ドル付近。朝方に1.2369ドルまで下押ししたが、緩やかに反発している。
財務省、金融庁、日銀は29日、国際金融資本市場について情報交換する会合を約4カ月ぶりに開いた。浅川財務官は、会合後に「背後に投機的な動きがないか緊張感を持って注視したい」と述べたが、同発言が伝わった時間帯は、米10年国債利回りが2.70%台に上昇したタイミングと重なり、「円高けん制発言が相場に影響を及ぼしたかは不明」(外国銀)との声が出ていた。
<09:40> ドル109円付近、米インフラ計画の詳細発表は2月半ば
ドルは109.00円付近。
前日、ドルが対英ポンドやユーロで買い戻された流れを引き継いで、前日高値の109.20円を目指すとの見方が示されていた。
今日は月末の五・十日で、このところ毎日観測される実需のフローがきょうも出ているもようだ。
米政府関係者は29日、トランプ米大統領のインフラ投資計画に関して、30日にの一般教書で概要が示されるものの、詳細の発表は2月半ばにずれ込むとの見通しを明らかにした。
インフラ投資計画を巡っては、米財政赤字の悪化に直接的につながるとみられ、米国債市場では債券売り材料になりつつある。
<08:45> ドル108円後半、前日は米長期金利が2.727%まで上昇
ドルは108.95円付近でニューヨーク終盤と変わらず。
前日の米国債市場では、10年国債利回りが2.727%まで上昇し、2014年4月以来の高水準となった。同利回りは現在2.6982%付近。
同利回りは東京市場の終盤に既に2.70%台を付けていた。このところ米長期金利の動きには鈍感だったドルも109.05円まで買い進まれた。
ただ、市場では「米長期金利が3年9カ月ぶりの高水準にある割には、ドルは109.20円(前日高値)までしか買われず、109円台にしっかり乗せることができなかった」(外為アナリスト)との指摘もでており、ドルの下値リスクを警戒する声が聞かれる。
米長期金利の上昇の要因として、きょう予定されるトランプ大統領の一般教書演説を控えて、米財政赤字の悪化を見込んだ投機的な売りが流入したとの指摘が出ていた。
また、米連邦準備理事会(FRB)がきょうから2日間の予定で実施する連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気判断を引き上げるとの思惑がでている。
さらに、米30年国債利回りでストップ(損出確定の売り)が付き、金利全般の上昇のトリガーとなったとの指摘もあった。同利回りは現在2.9486%付近。
超党派の米非営利組織「責任ある連邦予算委員会」(CRFB)は、2019会計年度の連邦財政赤字が1兆ドルを突破するとの試算を発表した。財政赤字が1兆ドルを記録すれば2012年以来となる。
それによると、19年度の連邦赤字は1兆1200億ドルとなり、現行政策が続けば、赤字は2027年までに過去最大の2兆ドルを突破する見込みだという。
このほか、米財務省は31日に、金融危機以来初めて入札規模の拡大を発表する見通しだ。入札規模の拡大は当初は短期ゾーンのTビルからはじめ、次第に長めのゾーンの入札規模も増やしていく予定。FRBによる保有債券縮小が入札拡大の要因。
<07:40> ドル108.50─109.50円の見通し、月末フローと株価動向を注視
ドル/円は108.98円付近、ユーロ/ドルは1.2380ドル付近、ユーロ/円は134.85円付近。
きょうの予想レンジはドル/円が108.50―109.50円、ユーロ/ドルが1.2330─1.2430ドル、ユーロ/円が134.30―135.30円。
前日の海外市場では、ロンドン・フィクシングに向けた実需のドル買いや、米長期金利の上昇等を受け、ドルが109.20円まで上昇した。しかし、その後は、米国株安やきょう予定されるトランプ大統領の一般教書演説への警戒感から109円を下回った。
「ドルが109円台をしっかり回復できないことから判断して、市場参加者の目線はまだ下向きのようだ」(外為アナリスト)との指摘が出ていた。
きょうは、月末の五・十日に当たることから、「実需の買いが期待され、午前は(ドルが)大きく下げることはなさそうだ。ただ、前日の米国株安を受けて日経平均がどう動くか見極めが必要だ」(同)との声が聞かれる。
一方、ユーロでは、欧州中央銀行(ECB)の要人から、ユーロ高けん制ともとれる発言が聞かれ、ユーロは一時1.23ドル前半まで下落した。
米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としているコア個人消費支出指数(PCE)価格指数は12月に前月比0.2%上昇、11月は0.1%の上昇だった。12月の前年同月比は1.5%上昇。11月も1.5%上昇だった。
コアPCEの前年同月比はFRBが目標とする2%を2012年半ばから下回っている。
全スポットレート(ロイターデータ)
アジアスポットレート(同)
欧州スポットレート(同)
通貨オプション
スポットレート(ロイター・ディーリング約定値)
スポットレート(日銀公表)