[東京 3日 ロイター] -
<09:38> ドル109円前半、対ブラジル・アルゼンチン関税は中国を意識か
ドルは109.10円付近。
前日は東京市場でつけた6カ月ぶり高値109.73円からニューヨーク市場の安値108.92円までドルが急落し、このところのドル高ムードに水が差された。
ただ、「投機筋はまだドルロングを抱えている」(FX会社)とみられ、それらを投げ売りするようなニュースが出れば、ドルの一段安が見込まれている。
前日のドル安のきっかけはとなったのは、予想以上に弱い米ISM製造業指数やロス商務長官の発言、米国で成立した香港人権・民主主義法に対する中国の制裁措置などがあるが、なかでも、トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに直ちに関税を課すと表明したことに対する驚きが大きかったという。
トランプ氏は、ツイッターに「ブラジルとアルゼンチンは大規模な通貨切り下げを実施してきた。これは米国の農業部門に良くない。このため、両国から米国に輸出される鉄鋼とアルミニウムに直ちに関税を課す」と投稿した。
市場では、米国の関税発動が通貨安を根拠としているため、「真の目標は中国」(FX会社)との見方も出ており、米中通商協議の行方に暗雲が立ち込めている。
<07:48> ドル108.50─109.50円の予想、トランプ砲炸裂でドル高けん制も
ドル/円は109.03円付近、ユーロ/ドルは1.1079ドル付近、ユーロ/円は120.75円付近。
きょうの予想レンジはドル/円が108.50―109.50円、ユーロ/ドルが1.1020─1.1120ドル、ユーロ/円が120.20―121.20円とみられている。
前日の海外市場では「トランプ砲」が再び炸裂(さくれつ)し、6カ月ぶりの高値を推移していたドルは急落した。「忘れた頃にトランプ砲が炸裂したことで、きょうもドル高の調整が入りやすい。市場はこれまで悪いニュースをことごとく無視して、ドルを買い上げてきたが、そうした地合いには変化の兆しがみられる」(外為アナリスト)という。
前日の欧州時間には、トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに直ちに関税を課すとツイッターで表明したことを受け、ドルは109.75円から109.50円まで下落した。
米国時間に米供給管理協会(ISM)が公表した11月の製造業景気指数は48.1と、10月の48.3から低下し、景気拡大・縮小の節目となる50を4カ月連続で下回り、「市場のネガティブ・サプライズとなった」(前出のアナリスト)。
米国株は200ドルを超える下げを見せ、ドルは109.20円まで下落した。
その後、ロス米商務長官がフォックスニュースとのインタビューで「中国と合意がなければ、トランプ米大統領は対中関税を引き上げるだろう」と発言したことが伝わり、ドルは108.92円まで下落した。
トランプ大統領はまた、「FRBは、他国がこれ以上通貨を切り下げて強いドルを利用することがないように行動を起こすべきだ。(他国通貨安は)米国の製造業者と農家が公正な価格で輸出することを阻害するものだ。FRBよ、金利を下げ金融緩和せよ」とツイートし、「ドル高けん制と受け止められた」(前出のアナリスト)という。
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