[東京 5日 ロイター] -
<15:17> 米長期金利は0.92%前半、米期待インフレ率が2%乗せ
ドルは102.94円付近できょうこれまでの安値圏。じわじわとドル安/円高が進んでいるが、前日海外市場の安値102.72円までにはまだ少し距離がある。
リフィニティブによると、米10年国債利回りは0.9232/0.9215%の気配。米10年物価連動債(TIPS)の利回りはマイナス1.096/マイナス1.110%の気配となっている。
両利回りから計算される期待インフレ率(ブレーク・イーブン・インフレ率、BEI)は約2.02%となり、2018年11月以降で初めて2%台に乗せている。
市場参加者によると、BEI上昇の背景には米国での追加経済対策への期待があるという。
米国で追加経済対策が実施されるか否か、規模がどの程度になるかは、米ジョージア州できょう行われる連邦議会上院の2議席を巡る決選投票の結果も重要だ。
共和党候補が勝利すれば、ねじれ議会が解消されず、大規模な追加経済対策の実施が難しくなるとみられる。
ただ、「追加経済対策が実施されたとしても、それはあくまでも足元の需給ギャップを埋め合わせるものであり、即、物価上昇につながるものではない。米国で本格的にインフレ率が上昇するには、原油価格の上昇が欠かせない」(証券会社)との意見も出ている。
BEIの一段の上昇が株高とリスク選好のドル売りをもたらす可能性は現時点では低そうだ。
<14:25> ドル103円割れ、急落しても一時的との見方も
ドルは102.95円付近できょうこれまでの安値圏。
午後に入ってユーロ/円や英ポンド/円が弱含みとなり、クロス円での円高がドル/円に波及しているものとみられる。
今後のドル/円について、FXプライムbyGMOの常務取締役、上田眞理人氏は「もう少し下がらないと気が済まないという感じだ。ただ、コロナ感染拡大が日本国内でも急ピッチで広がる中、なぜ円を買わねばならないのかと参加者が立ち止まる瞬間がしばしばあるため、腰の入った円買いが入りにくい」と述べ、今後の円高も行きつ戻りつ、じわじわ進むとの見方を示した。
より長期的には「いずれ我慢ができなくなって、大幅に円高が進む局面があるかもしれないが、その場合も市場参加者は、円を買う理由が乏しいというそもそも論に突き当たり、去年の3月のように円高が一時的なものに終わる可能性が大きい」と上田氏はみている。
昨年3月9日には、ドルが104.95円から101.18円に急落する場面があった。しかし、その後ドルは急激に買い戻され、3月24日に111.71円まで反発した。
<12:07> 正午のドルは103円前半、米ジョージア州上院決選投票に関心
正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点(103.10/14円)とほぼ同水準の103.10/12円。
英ポンドやユーロなど、昨日の海外市場で高値から反落した欧州通貨が反発するなか、ドル/円は蚊帳の外となり、小幅な値動きに収まった。
市場の関心は、米議会の趨勢を決定するジョージア州の上院選決選投票に注がれている。
米国南部のジョージア州で5日に行われる連邦議会上院の2議席を巡る決選投票で、共和党候補が勝利すれば、ねじれ議会が解消されず、大規模な刺激策の承認が阻害されることが警戒されている。
一方、民主党候補が勝利すれば、一段の刺激策実施への期待感から、米長期金利が上昇し、ドル/円も下支えされるとみられている。
ユーロは前日の海外市場で1.2310ドルまで上昇し、12月30日に付けた2年9カ月ぶり高値と面合わせしたあと反落したが、きょうの東京市場では1.2273ドル付近までじわじわと上値を伸ばした。
<11:01> ユーロ1.22ドル後半、2年9カ月ぶり高値圏で堅調
ドルは103.13円付近で一進一退。
ユーロは1.2258ドル付近で堅調。
前日の海外市場では1.2310ドルまで上昇し、12月30日に付けた2年9カ月ぶり高値と面合わせした。その後は、英ポンドの急失速のあおりを受けてユーロも高値圏から反落したが、今朝の東京市場では再びユーロ買いが優勢となっている。
ユーロ高については、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁や理事らが度々ユーロ高をけん制しているため、ユーロ買いには警戒感がある。
しかし、外為市場では「とりあえずはドルを売って、ドル以外の通貨を買う流れが新年も続いている」(証券会社)中で、ユーロもじわじわと上値を伸ばしている状況だ。
ラガルド総裁は先月10日、ECB理事会後の記者会見で、「われわれは為替レートを目標に掲げているわけではないが、とりわけユーロ高が重要な役割を果たし、物価に下落圧力を及ぼすことは明白だ」と述べた。
ただ、この発言は、「腰の入ったユーロ高けん制ではない」(前出の証券会社)と解釈され、昨年11月上旬から始まったユーロ高トレンドを軌道修正するには至らなかった。
一方、ユーロ/円は目下126.39円付近で小幅な値動き。
ユーロと円の強さが拮抗し、方向感が出にくい展開となっている。
<09:16> ドル103円前半、英ポンドは急失速後の反発力弱い
ドルは103.17円付近。この日は商業決済が集中する五・十日に当るため仲値付近までは正月休暇明けの国内勢による売買が予想されている。
前日の外為市場で主役だった英ポンドは、現在1.3562ドル付近で弱含み。
英ポンドは前日の欧州市場で一時1.3703ドルまで上昇し、2018年5月以来2年8カ月ぶり高値を付けた。しかし、その後は急失速し、現在も大幅に下値が切り下がった水準での取引となっている。
「英ポンドが急失速したおかげで、ドル/円も102円台後半から小反発することができたが、きょうもドルの地合いは弱い」(アナリスト)という。
英ポンドの急反落の背景は、英国のジョンソン首相が4日、新型コロナウイルス感染の急激な拡大に対処するため、イングランドで新たに全面的なロックダウン(都市封鎖)措置を導入すると発表したこと。
同国では4日、アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発した新型コロナワクチンの接種が始まったばかり。新規感染者数は3日時点で約5万5000人。累計の死者数は7万5000人超と、欧州で2番目に多い。
<07:54>ドル102.70─103.50円の見通し、10カ月ぶり安値から反発でも戻り鈍い
ドル/円は103.14円付近、ユーロ/ドルは1.2250ドル付近、ユーロ/円は126.28円付近。
きょうの予想レンジはドル/円が102.70―103.50円、ユーロ/ドルが1.2210─1.2310ドル、ユーロ/円が125.80―126.80円とみられている。
前日の欧州市場ではユーロや英ポンドなどの欧州通貨やオセアニア通貨に対してドルが下落し、その波及効果でドル/円も一時102.72円まで売られて、3月10日以来10カ月ぶり安値を付けた。
その後のニューヨーク市場では、上昇していた英ポンドが急激に失速したことや、米国株が大幅安となったことで、ドルのショートカバーが広がり、ドルは103.25円まで持ち直したものの、反発力は弱かった。
市場では「前日のドルの反発は欧州通貨の急失速と、米国株の大幅安によるリスク選好の巻き戻しという他律的な要因が背景となっている」(外為アナリスト)という。
また「ドルの戻りが鈍いのは、年末からドルを売っておけばもうかるという地合いが続いているからだ。どこかで潮目の変化があるかもしれないが、当面はないだろう」(同)という。
今日の東京市場は五・十日に当るため国内実需勢の売買が注目される。また、まもなく発令される緊急事態宣言を巡る報道も注目されている。
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