[東京 7日 ロイター] -
<09:12>ドル103円割れ、米長期金利の大幅上昇に「食いつき悪い」
ドルは102.98円付近。早朝の高値103.09円から下落した。
前日のニューヨーク市場では、米長期金利の大幅な上昇がドル/円のショートカバーを誘発したことで、ドルは一時103.44円と約1週間ぶりの高値を付けた。しかし、上昇は長続きせず、今朝は103円付近で足踏み状態となっている。
市場では「米長期金利が大幅に上昇したにもかかわらず、ドル/円の食いつきは極めて悪い。リスクオンでユーロが買い戻されて、対ユーロでドル安になったことや、ワシントンでトランプ大統領支持者が連邦議事堂に侵入したことがドルの足を引っ張っている」(外為アナリスト)という。
6日の米国債市場では、ジョージア州の上院選決選投票で民主党が2議席を獲得し、上院でも多数派を確保する見通しになったことを受け、景気刺激策拡大の期待と米連邦準備理事会(FRB)が予想より早く資産買い入れを縮小するとの見方が広がり、米長期金利が大幅に上昇した。
リフィニティブによると、米10年国債利回りは6日に一時1.0540%まで上昇し、昨年3月以来の高水準となった。現在は1.0355/0321%の気配。
外為市場ではドル/円相場と米長期金利がしばしば正の高相関を見せてきたが、根強いユーロ高/ドル安の前で、相関が明確に弱まっている。
ユーロは現在1.2336ドル付近。前日一時1.2349ドルまで上昇し、2018年4月以来の高値を付けた。
ユーロ/円は127.06円付近。前日一時127.23円と2019年3月以来の高値を付けた。
<07:50> ドル102.70─103.50円の見通し、米民主党が上下院支配へ
ドル/円は103.03円付近、ユーロ/ドルは1.2329ドル付近、ユーロ/円は127.03円付近。
きょうの予想レンジはドル/円が102.70―103.50円、ユーロ/ドルが1.2270─1.2370ドル、ユーロ/円が126.50―127.50円。
きょうの外為市場では、米ジョージア州での上院選決選投票の結果とワシントンで起きた混乱が市場のセンチメントを左右しそうだ。
エジソン・リサーチによると、米ジョージア州で5日投票が行われた連邦議会上院選の決選投票の残る1議席で、民主党オソフ氏が現職の共和党パーデュー氏を破り勝利した。民主党候補が2議席を制したことで、同党が上下両院で多数派を確保する。
昨年11月の米大統領選の選挙人投票集計が行われていた連邦議会で6日、議事堂周辺に集まったトランプ大統領支持者の一部が警備を破り建物内に侵入した。これを受けて議事堂は閉鎖され、上下両院合同本会議の討議も中断された。
警察は侵入者に対し催涙弾を使用。地元メディアによると、1人が銃で撃たれ、建物内から搬送された。
米ジョージア州の決選投票結果については、「民主党が上下両院を制する『ブルーウェーブ』については、当初は富裕層への増税や規制強化といった面が意識されていたが、今はバイデン政権の政策運営がスムーズにいき、追加の大型景気対策も早期に実現するとの期待感が先行しているようだ」(外為アナリスト)という。
こうしたリスクオンムードの中で、外為市場では、クロス円が買われやすいとみられ、ユーロ/円や豪ドル/円の上昇がドル/円の浮揚力となる可能性が大きいという。
ただ、「ワシントンで起きた暴動が全米各地に広がる可能性も否定できず、警戒を要する」(同)という。
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