[東京 9日 ロイター] -
<12:03> 正午のドルは134円前半、再び20年ぶり高値 IMFが円安容認
正午のドルは前日NY市場終盤の水準から小幅円安の134円前半。海外各国との金利差拡大を手がかりとする円売り地合いは不変で、ドルは午前に一時134.56円まで上昇。2002年2月以来20年4カ月ぶり高値をさらに更新した。
国際通貨基金(IMF)アジア太平洋局局長補のラニル・サルガド氏は9日午前の講演で、最近の円安について、多くを輸入に頼る原油など原材料の価格高騰が貿易収支を悪化させていること、主要国との金融政策見通しの格差などが背景だとして、「大きな」動きではあるものの「ファンダメンタルズを反映している」と指摘した。
同氏によると、日米金利差とドル/円相場の相関度は約80%。日米金利差は現在、2年債利回り、10年債利回りともに4年ぶり高水準へ拡大している。
他の主要通貨はおおむね横ばいだった。
<09:26> ユーロ144円前半、7月5カ月ぶり高値 日独金利差9年ぶり水準
ユーロは144円前半で底堅い動き。海外市場でつけた7年5カ月ぶり高値から大きな調整なく、引き続き上値をうかがう展開が続いている。
前日にユーロ高が勢いづく際に話題となったのは、第1・四半期の域内総生産(GDP)確報値。前期比0.6%増、前年比5.4%増と、改定値の同0.3%増、5.1%増から大幅に上方修正された。
発表を受けた独債券市場では、イールドカーブがベアスティープ化。短期金融市場は9月までに75ベーシスポイント(bp)の利上げを実施する可能性まで織り込み、10年債利回りも1.36%台と2014年6月以来8年ぶり高水準をつけた。
日米10年金利差は4年ぶり高水準で推移しているが、日独の10年金利差は13年以来9年ぶり水準に達した。円は対ドル以外の通貨に対しても「売りが広がりやすい」(外銀)状況といえる。
ドルは午前9時頃に134.56円まで小幅に上値を伸ばし、20年ぶり高値を更新した。現在は134.35円付近。
<07:56> ドル133.60─135.10円の見通し、節目135円の攻防へ
きょうの予想レンジはドル/円が133.60―135.10円、ユーロ/ドルが1.0650─1.0780ドル、ユーロ/円が143.30―144.80円付近。
前日海外市場では再び円が全面安。ドルは一時134.48円まで上昇し2002年2月以来20年4カ月ぶり高値を更新したほか、きょうに欧州中央銀行(ECB)理事会を控えたユーロも144円前半と、15年1月以来7年5カ月ぶり高値へ到達した。
海外時間に円売り手掛かりとして話題となったのは、日銀の黒田東彦総裁の発言。金融緩和継続の必要性に重ねて言及したことで、円売り戦略に安心感が広がったという。
高値更新後、小幅に調整したドルは朝方の取引で再び134.41円まで反発。上値をうかがう地合いに変わりはない。市場では「短期筋の円売りが激しく、流れに逆らえない」(国内金融機関)状況だといい、多くの参加者が当面の節目と位置付ける135円台の攻防が視野に入ってきた。
全スポットレート(ロイターデータ)
アジアスポットレート(同)
欧州スポットレート(同)
通貨オプション
スポットレート(ロイター・ディーリング約定値)
スポットレート(日銀公表)
(
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」