[東京 16日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の午後5時時点とほぼ変わらずの107円前半。英米仏軍のシリア攻撃でも市場に大きな動揺は見られず、ドルは107円前半から半ばの狭いレンジ内を上下する展開となった。
市場への影響が限られたのは、トランプ米大統領が攻撃を事前に予告していたことに加え、マティス米国防長官が「1度限りの攻撃」と発言したことなどが背景。日経平均が小幅プラス圏で推移する中、ドルは一時107.61円まで上昇した。
しかし上値では新年度入りした輸出企業の売りが強まり、ドルは午後にかけて107.13円までじりじりと反落した。17―18日に行われる日米首脳会談を控えて「ドルを買い進める環境ではない」(国内銀)との声もあった。
海外ファンドの間では、小泉純一郎元首相が14日、秋の自民党総裁選で安倍晋三首相が3選する可能性について、難しいとの見解を示したことが、ドル買いポジションの巻き戻しにつながったとの声も上がっていたという。
きょう期限を迎えるオプションに絡んだ売買が、値動きを抑制した可能性もある。米国証券保管振替機関(DTCC)によると、107円台をストライクとする主なオプションは14億ドル程度。
<英ポンド堅調、武田薬のシャイアー買収観測で>
英ポンドは152円後半と、2月8日以来の高値圏で堅調に推移した。
英ポンド高の背景には、武田薬品工業(4502.T)のクリストフ・ウェバー最高経営責任者(CEO)が5日、アイルランドの製薬会社シャイアー(SHP.L)買収の可能性に言及したことがある。
外為市場では、武田薬のシャイアー買収観測から、ファンド勢がユーロ/ポンドを売っているほか、ポンド/ドルも上昇基調となっている。
複数の関係筋が12日、明らかにしたところによると、武田薬は主要行に対し、買収資金借り入れを打診した。株価などから試算したシャイアーの価値は5兆円規模と言われる。
ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
午後3時現在 107.20/22 1.2328/32 132.17/21
午前9時現在 107.51/53 1.2329/33 132.57/61
NY午後5時 107.33/36 1.2329/33 132.34/38
為替マーケットチーム