[東京 15日 ロイター] - ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円 午後3時現在 107.22/24 1.0803/07 115.87/91 午前9時現在 107.34/36 1.0804/08 116.00/04 NY午後5時 107.24/27 1.0804/06 115.86/90 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の107円 前半。市場の関心が徐々に、新型コロナウイルスの感染拡大から、米中対立の激化にシフ トする中でドルは伸び悩んだ。 週末の五・十日にあたるこの日は、午前9時過ぎと仲値前に107.43円まで強含 んだ。しかし、107.50円にはきょうのニューヨーク時間に期日を迎えるオプション があるとの観測が広がり、市場は上値追いに慎重となった。 さらに、米中対立の激化懸念がドルの上値を抑えた。 「現時点で要注意なのは、コロナよりもむしろ急激に悪化している米中関係だ」( 外為アナリスト)との意見が聞かれた。また、対中強硬姿勢を改めて示しているのは、米 大統領のみならず米議会も同様で、米国では大統領と立法府が一枚岩となり、中国と対立 する格好となっていることを懸念する意見もでていた。 米上院は14日、中国政府がウイグル族などイスラム教の少数民族を弾圧していると して、トランプ政権に強硬な対応を求めるウイグル人権法案を全会一致で可決した。 中国は法案に反発し、米中の協力関係に影響を及ぼす深刻な内政干渉だなどとして強 く抗議している。 トランプ米大統領は14日、新型コロナウイルスを巡る中国の対応に非常に失望した と述べるとともに、現時点で習近平国家主席との対話は望んでいないとした。また、中国 からの年間輸入額に言及し、「関係を断絶すれば、5000億ドルを節約できる」とも言 明した。 前日のニューヨーク時間の取引では、このトランプ氏の発言を受け、ドルが106円 後半に下落する場面があった。 午前11時に発表された4月の中国小売売上高は前年比7.5%減と事前予想の7. 0%減より下げ幅が大きかったが、同時に発表された4月の鉱工業生産は前年比3.9% 増と予想の1.5%増を上回ったことで、市場は目立った反応を示さなかった。 トランプ氏は14日、「強いドルを持つには素晴らしい時だ。私たちがドルの強さを 維持したから、誰もがドルを持ちたがっている。私がドルの強さを維持した」とした。 海外市場では同発言を受けて一時107.37円をつけたが、東京市場では「マイナ ス金利の導入を米連邦準備理事会(FRB)に迫りながら、一方でドル高が良いというの は虫が良すぎる」(金融機関)との声が優勢で、反応も限定的だった。 (為替マーケットチーム)
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