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来週のドル/円に下値リスク、不安定な米国株や米長期金利低下で

 3月30日、来週の外為市場でドル/円は、不安定な米国株や米長期金利の低下を背景に、下値余地が意識される。写真は昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

[東京 30日 ロイター] - 来週の外為市場でドル/円は、不安定な米国株や米長期金利の低下を背景に、下値余地が意識される。電撃的な中朝首脳会談で北朝鮮情勢を巡る懸念が後退した一方、米中貿易摩擦や欧米とロシアの対立激化など通商面や地政学上のリスクは残り、ドルの上値を抑えそうだ。

予想レンジはドルが105.00━108.00円、ユーロが1.2150―1.2450ドル。

2日には日銀短観と米ISM製造業業況指数、6日には3月の米雇用統計が予定される。注目される時間当たりの賃金は前年比2.8%の上昇が見込まれている。

「北朝鮮情勢や米中貿易摩擦に関して過度な懸念は後退しているが、トランプ米大統領の挙動不審は続いている。トランプリスクを背景に不安定な米国株や米長期金利の低下などで、ドルに下値余地がある」とトウキョウフォレックス上田ハーローの阪井勇蔵氏は指摘する。

日米首脳会談が4月18日にも開催される方針が明らかになり、与野党関係者などの間では、中間選挙を控えトランプ政権から経済面で厳しい要求が出てくる可能性が懸念され始めている。市場関係者は、日銀の金融政策について円安誘導策ではないかと批判されるリスクを懸念している。

米国株は2月初旬の急落以降、不安定な値動きを続け底打ち感が出ていない。ダウ工業株30種平均は足元で2万4103ドル付近と、1月26日の高値から9.4%安。米10年国債利回りは29日に2.739%と7週間ぶりの低水準となった。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が中国訪問で習近平国家主席と会談したとの報道は、金融市場に好意的に解釈されドル高要因となった。北朝鮮の狙いは、南北首脳会談と米朝首脳会談を控える中、関係が悪化していた中国への訪問で一気に関係を改善し、米国との交渉での立場を強化することだったとみられる。

来週から新年度となり、105円台では機関投資家らによるドルの買いも予想される。また、円売りポジションが軽減されていることから、短期筋には円売り余力がある。ただ、3月最終週に107円にしっかり乗せられなかった経緯もあり、ドルの上値追いに慎重になるだろう。

ユーロでは、欧州中央銀行(ECB)による金融政策の正常化ペースが注目されるが、市場ではECBが緩慢なペースで金融刺激策を縮小するとの見方が根強く、ユーロ買い一辺倒とはなりにくい。

為替マーケットチーム

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