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来週の外為市場、ECBのユーロ高けん制を注視 ドル安の持続性見極め

[東京 4日 ロイター] - 来週の外為市場は、ドル安の持続性を見極めることになりそうだ。鍵を握るのが、欧州中央銀行(ECB)がユーロ高をけん制し、欧州通貨の快進撃に幕を引くか否かだ。また、新型コロナの感染状況やワクチンを巡る報道、米追加経済対策や英国と欧州連合(EU)の通商交渉の行方も注目される。

来週の外為市場は、ドル安の持続性を見極めることになりそうだ。鍵を握るのが、欧州中央銀行(ECB)がユーロ高をけん制し、欧州通貨の快進撃に幕を引くか否かだ。写真は11月26日、ブリュッセルで開かれたECBのオンライン幹部会議。(2020年 ロイター /Johanna Geron)

予想レンジはドルが103.00━105.00円、ユーロが1.2000―1.2250ドル。

上田東短フォレックスの営業推進室長、阪井勇蔵氏は「ユーロ圏で景気回復期待が高まる中で、ECB当局者が足元のユーロ高をどうみているのか、ユーロ高をけん制するのか否かが最も注目される」と述べ、ECB理事会前の9日、当日10日はユーロ高けん制への警戒感から、いったんドルが買い戻される可能性があるとみている。

コロナワクチン期待に沸く株式市場とリスク選好の地合いの中でユーロは買い進まれてきたが、より本質的には「欧米の景況感格差、つまり、欧州の景気回復が米国に先行するとの見込みがユーロの快進撃の原動力になっている」と阪井氏は分析し、けん制があったとしても、ユーロが1.20ドルを下回って底割れする可能性は低いと予想する。

ECBは10月29日の定例理事会で12月に追加対策を講じる可能性を示唆した。ECBのチーフエコノミスト、レーン理事によると、ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)と貸し出し条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)に続く新たな政策の枠組みを10日の定例理事会で検討する可能性がある。

SMBC日興証券のチーフ為替・外債ストラテジスト、野地慎氏は「ECBの政策で欧州の実質金利が下がるようなことがあれば、相対的に円の魅力が高まることも予想され、足元の『ドル安第2波』の中でドル/円も103円割れを実現する公算が高まる」とみている。

他方、米連邦準備理事会(FRB)が「ドル安、株高」の過熱に懸念を示せば、名目10年債利回りの一定程度の上昇を容認する可能性もある。

市場参加者の多くが「米10年債利回りの1%近傍での安定」と「ドル/円の横ばい」を予想する中でも、「円高と米長期金利上昇」のリスクが高まっている可能性に留意したい、と野地氏は言う。

高ボラティリティーの英ポンドからも目が離せない。

ドルは2日に104.75円と8日ぶりの高値を付けたが、きっかけは英国とEUの通商交渉を巡る悲観的なヘッドラインで、ポンドが一時的に急落したことだった。英ポンドなど欧州通貨の値動きがドル/円に波及するケースが最近はしばしば観察される。

為替マーケットチーム

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