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ドル乱高下か、円には底堅さ=来週の外為市場

 8月5日、来週の外為市場でも、ドルは値動きが大きくなりそうだ。写真は2016年1月撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)

[東京 5日 ロイター] - 来週の外為市場でも、ドルは値動きが大きくなりそうだ。米利上げと景気減速の綱引きに加え、ペロシ米下院議長の台湾訪問をきっかけに米中関係が緊迫するとの懸念が強まっており、円が突発的にリスク回避的な底堅さを見せる可能性もある。

予想レンジはドル/円が130━135円、ユーロ/ドルが0.99―1.03ドル。

今週のドルの値幅は、2日の安値130.40円から3日の高値134.55円まで、上下4.15円に達した。前週の4.94円に次ぐ大きさで、コロナ禍が急速に広がり、世界中でパニック的に経済活動が停止した20年3月以来の大変動が続いている。

相場急変の要因は複数あるが、最も影響を及ぼしているとされるのは、米国債の大きな値動きだ。足元の大幅利上げ期待と、急速なインフレや景気減速への懸念、来年の利下げ見通しの台頭など、目まぐるしく変化する景気・金融政策見通しに一喜一憂する形で、10年債利回りは2%半ばから3%近い水準を荒々しく行き来している。

そのため、10日に発表される米国の7月消費者物価指数(CPI)は、市場参加者にとって今や「雇用統計をしのぐ注目度」(上田東短フォレックスの営業企画室長、阪井勇蔵氏)だという。米国のCPIは6月に41年ぶり高水準を記録し、今秋に中間選挙を控えるバイデン政権をも揺るがしかねない勢いにある。

ペロシ氏の訪台で揺らいだ米中関係の行方にも、注目が集まる。中国軍は4日、1996年の第3次台湾危機以来となるミサイル発射訓練を行った。市場では、まだ「米中とも事態の一段の深刻化は避けたいはず」(外銀)と楽観的な見方が多いだけに、演習が終了する7日以降も緊張が続くような事態となれば、リスク回避ムードが高まって円が買われやすくなる。

ユーロの先安見通しに大きな変化はない。ロシアから欧州に天然ガスを送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」は、主要タービン6基のうち現在稼働しているのは1基にとどまる。供給途絶となれば影響は甚大で、金融政策や景気動向など「他のニュースに関心が集まりづらい」(トレーダー)ほどだという。

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