[東京 28日 ロイター] - 今週の外為市場でドル/円は、米長期金利の上昇圧力が停滞する中で上値の重い展開となりそうだ。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)後に弱含んでいたユーロは、反動で上昇に向かうとみられている。
予想レンジはドルが109.70━111.70円、ユーロが1.1850―1.2050ドル。
ドル高をけん引してきた米10年債利回りは足元1.5%台近辺で上昇が一服しており、ドルの上値を抑える要因になっている。
三菱UFJ銀行のチーフアナリスト、内田稔氏は、今週は「米長期金利が上昇する局面にはなりづらく、リスクオンムードが広がりやすい」と指摘。15―16日のFOMC後にドルが上昇していたこともあり、その反動で今週はドルが若干弱含む可能性があるとみている。
ドルは先週111円台に乗せ約1年3カ月ぶりの高水準を付けたが「111円という水準はやや割高感も意識され、さらに上値を試すのは難しそうだ」(国内銀行)との見方が出ていた。
一方、ユーロ/ドルは小幅に上昇する見通し。FOMCで米連邦準備理事会(FRB)のタカ派シフトが確認されて以降、ユーロ/ドルは節目の1.20ドルを割り込み、弱い地合いが続いていた。
今週は「下げの反動とリスク選好地合いが支えとなり、ユーロ高に傾きそうだ」(三菱UFJ銀行・内田氏)との声が聞かれた。
今週の主なスケジュールでは、国内では5月失業率、有効求人倍率などが公表予定となっている。海外では、米国で6月ADP雇用統計、6月失業率などが発表される予定。
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