March 29, 2020 / 10:56 PM / 2 months ago

ドルは元さやに、「ドル・クランチ」緩和はまだ先=今週の外為市場

[東京 30日 ロイター] - 今週の外為市場でドルは、世界の株価急落で深刻化した信用収縮を背景とする「ドル・クランチ」(ドル需給の逼迫)が強く意識される前の水準に戻りそうだ。しかし、短期金融市場ではターム物の流動性が著しく低下した状態が続き、クランチが本格的に和らぐにはまだ距離がある。

予想レンジはドルが106.00━111.00円、ユーロが1.0850―1.1250ドル。

主要6通貨に対するドル指数は20日に102.992まで急伸し、3年2カ月ぶり高値を付けた。ドル高の原因は新興国中銀などがドルの流動性確保に奔走したことと、ファンドなどの投機筋が「ドル・クランチ」をテーマにドルを買い上げたことだ。

同指数は足元で98半ばまで下落している。

市場では「週初めは年度末のフローなどから円高/ドル安になりやすいとみている。ただ、イタリアやスペインでの感染拡大からユーロを積極的に買い続けるのは困難とみられ、週後半はドル高方向への巻き戻しがあるかもしれない」と上田東短フォレックス、営業推進室長の阪井勇蔵氏はみている。

「ドル高は巡航速度に戻ってくるだろう。ドル/円も基本的に107―110円の元さやに収まる確率が高いとみている。ドル高に提灯をつけたファンド勢もいったんはドルロングのアンワインドに向かいそうだ」とFXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は言う。

米経済指標の大幅な悪化が予想される中、ドル買いを続けるのも難しい。4月3日の米雇用統計を始め、1日のISM製造業景況指数なども控えている。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は26日、米経済は「おそらく景気後退(リセッション)」入りするとした上で、経済活動の完全な再開は新型コロナウイルスの制御にかかっているとの認識を示した。FRB議長が経済指標の裏付けなしに景気後退の可能性に言及するのは異例だ。

議長は今回の資金供給に関して「われわれの弾薬が尽きるということはない」、「なお政策余地を有している」と強調した。

ドルの短期金融市場では、FRBがFF金利の誘導目標を0.00―0.25%に引き下げ、無制限の量的緩和(QE)に乗り出した後も、ターム物の短期金利の上昇が止まらない。

ドル短期金利の指標となる3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)は26日、1.3746%と前日から10.76ベーシスポイント(bp)上昇した。過去最大の上げ幅は17日の16.25bpだったが、それに迫る勢いを見せた。

LIBORは27日に1.45013%とさらに7.55bp上昇した。

四半期末を控えて、マネーマーケットファンド(MMF)など資金の出し手が、長め(ターム物)の運用に慎重なためで、著しく低下したターム物の流動性が回復するにはまだ時間を要しそうだ。 「ドル・クランチをドル買い材料とみるか、クランチが信用収縮という深刻な問題に起因することに注目し、ドル売り材料と判断するか、市場の軸足はまだ定まっていない」(金融機関)という。

為替マーケットチーム

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