[東京 24日 ロイター] - 来週の外為市場では、対ドルで24年ぶり水準へ到達した円安の進行が一服となりそうだ。急速に進むインフレの抑制に向けて、各国で市場予想を上回るペースの金融引き締めが相次いでおり、景気減速への警戒感がリスクオフの円高圧力となり始めている。
予想レンジはドルが133.50━136.50円、ユーロ/ドルが1.04―1.06ドル。
23日の欧州市場では、現在の市場心理を端的に示すような動きが耳目を集めた。ノルウェー中央銀行の20年ぶり大幅利上げである。
事前の市場予想は0.25%の利上げが大勢。それを上回る0.5%の引き上げが行われたうえ、「今後の利上げ幅が25bpを超える可能性も否定しない」(バーチェ総裁)とのコメントも飛び出すなど、中銀のタカ派姿勢が前面に表れた。
多くのアナリストの受け止めは額面通りで、8月か9月に再び0.5%の大幅利上げが行われるとの見方が浮上。今後のクローネ高を予想する声も少なくない。
ところが、対ユーロを中心にノルウェークローネが買われたのは、発表直後の一時のみ。対円でも13円半ばから後半へ急伸した直後、すぐ売りに押されて発表前の水準を下回った。対米ドルでも同様の動きだった。
クローネ下落の背景にあったのは、相次ぐ利上げに対する市場の警戒感だ。「世界的に金融引き締めが予想以上のペースで加速する中、利上げを好感するより、急速すぎる引き締めによる景気減速を警戒すべきとの見方が強まってきた」(外銀)という。
日銀が17日に金融緩和の据え置きを決めた後も、金利差拡大を見越した円安の進行は限定的で、ドルは21日につけた136.71円を高値に調整色が強まっている。景気の減速感に注目が集まり始めたことで、各国の経済指標や金利・株式市場の動きがこれまで以上に、円相場に影響を及ぼしそうだ。
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