[東京 26日 ロイター] - 来週の外為市場で、ドルは高値圏でのもみ合いが続くと予想されている。米国で発表される主要な経済指標が底堅い内容となれば、年内の利上げ観測が高まり、ドルは一段と買い進まれる可能性がある。一方、米債務上限を巡る合意が得られなければ政府が資金繰りに行き詰まる「Xデー」とされる6月1日が近付く中、債務上限協議の行方に注目が集まる。
予想レンジはドル/円が138.00━142.00円、ユーロ/ドルが1.0600―1.0800ドル。
<りそなホールディングスのエコノミスト、村上太志氏>
「米国の雇用統計など主要経済指標が上振れるような結果となれば、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までの利上げ織り込みが拡大する余地がある。米長期金利が4%近辺まで上昇すれば、ドルも一段高となる。ただ、ドルは高値警戒感から利益確定売りがでやすい。また、米債務上限問題で合意に至らなければ、リスク回避の動きが強まる。一時的にドル回帰の動きが強まる場面があるものの、デフォルトに陥れば年内の米利下げが意識され、最終的には米金利低下に伴いドルに下押し圧力がかかるだろう」
<三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏>
「植田日銀総裁が金融引き締めや出口に向けて多くを語らないことが広く浸透し、円買いの要素がなくなったという素地がある。また、米国のインフレの先行きの数字が強いことや債務上限問題を巡ってはデフォルトには陥らないという見切り発車的な解釈が進む中、強い経済指標や米連邦準備理事会(FRB)高官の強気な発言に市場は反応しやすい。米経済指標を受けてFRBが目先は利上げを継続するとの市場の織り込みが拡大すれば、米金利上昇に伴いドル高が進むとみている」
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