[東京 2日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅安の111円半ば。前日夕方につけた1週間半ぶり高値112.15円から反落した。米中貿易戦争への警戒感や株価の下げが円を押し上げた。
111.74円ときょうの高値圏で取引が始まった東京市場のドルは、午後にかけてじり安。111.52円まで売られた。
米国が中国製品2000億ドルに課す関税率を25%へ引き上げる方針と発表したことを受け、この日は中国株が3%近く下落。日経平均も200円超の下げとなり、海外市場に続いて円が堅調だった。
同時に目立ったのは、中国と経済的な関係が深い豪ドルの軟調ぶり。豪ドル/円は82円前半と、円が急落した31日の日銀金融政策決定会合以前の水準へ下落した。ユーロ/円も130円ちょうど付近と、日銀会合前の水準へ反落した。
東京円債市場では、10年最長期国債利回り(長期金利)が一時0.145%まで上昇。昨年2月以来1年半ぶりの水準をつけたが、円相場に大きな反応はなかった。「上昇しても0.2%で止まるし、(日銀の)フォワードガイダンスは20年まで政策変更なしと明言しているので、あまり気にしていない」(トレーダー)との声があった。
<予想上回る米5年債増発、ドル/円の下支え>
米国では前日に10年債が2カ月半ぶりに3%台へ上昇。市場では金利上昇圧力がかかりやすい展開が続くと予想する声が出ている。米財務省が前日発表した四半期定例入札予定で、5年債の発行額が今後3カ月間で10億ドル増と予想を上回ったため。
発表を受けた米債市場では、5年債に加えて長期、超長期ゾーンの金利にも上昇圧力がかかった。「次回のリファンディングでさらに長い年限へ増発が拡大していくことを、市場が織り込み始めたことを示唆している」(野村証券)という。
ここ数日の米を含む主要国の金利上昇は、日銀の決定を受けた円金利の上昇が波及しているとの見方も多い。その中で米金利の上昇が一段と勢いづけば、前日同様にドル相場の下支えとなりそうだ。
ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
午後3時現在 111.55/57 1.1648/52 129.96/00
午前9時現在 111.63/65 1.1661/65 130.19/23
NY午後5時 111.71/74 1.1658/62 130.25/29
為替マーケットチーム