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四半世紀ぶり高値の日経平均、乗り切れない国内投資家
2017年11月7日 / 09:17 / 12日後

四半世紀ぶり高値の日経平均、乗り切れない国内投資家

[東京 7日 ロイター] - 日経平均株価.N225がバブル崩壊後の高値を更新、四半世紀ぶりの水準に達している。衆院選での与党大勝や緩和的な金融政策の継続期待から、海外投資家の資金流入が止まらない。

 11月7日、日経平均株価がバブル崩壊後の高値を更新、四半世紀ぶりの水準に達している。衆院選での与党大勝や緩和的な金融政策の継続期待から、海外投資家の資金流入が止まらない。写真は都内の株価ボード、9月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

バブル期と異なり、企業業績の裏付けもある。しかし、国内投資家の多くは売り越し姿勢を維持、歴史的な株高にいまだ乗り切れていないようだ。

<強気予想相次ぐ、日経平均3万円の声も>

今年度末までに日経平均は2万5000円──。マネックス証券チーフ・ストラテジスト、広木隆氏の予想だ。来年3月時点でのEPS(1株利益)予想を1575円程度とし、PER(株価収益率)16倍を掛け合わせた水準という。

そのうえで来期もEPS上昇が見込めるとし「2万5000円はあくまで通過点。その先には3万円がある」とみる。

国内大手損保や外資系運用会社などで40年にわたり日本株の運用に携わってきた岡三アセットマネジメント専務の大原透・運用本部長も当面、株高基調が持続すると予想している。

バブル期に60倍を超えたこともあるPERは、足元では15倍台で推移している。「利益が上がれば株価が上がる『普通のマーケット』に戻っている。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など、新しい時代の始まりに対応できている企業の株価が上昇している」と話す。

7日の東京株式市場で、日経平均は1996年6月に付けた高値2万2750円70銭を突破し、92年1月以来、四半世紀ぶりの高値を付けた。内閣府の景気基準日付では、バブル崩壊に伴う景気後退期は91年3月─93年10月。バブル崩壊後の戻り高値を更新した格好となった。

約2カ月間で3600円超、率にして19%の急ピッチな上昇の原動力となったのは海外投資家だ。衆院解散・総選挙の観測が広がった9月第2週以降、最新の公表データとなる10月第4週までの1カ月半に、海外投資家は現物先物合計で日本株を約5兆3000億円買い越した。年初来の買い越し額は約3兆1000億円に上る。

<個人は3兆円近い売り越し>

一方、国内の投資家は、対照的に売り越し姿勢を続けている。直近1カ月半で個人投資家による日本株の売り越し額は、現物先物合計で約2兆9400億円。事業法人や証券会社、都銀・地銀を含めた金融機関、生保・損保、信託銀行もそろって売り越し。投資信託、その他金融を合わせると、売り越し額は合計約4兆9000億円となる。

個人投資家向けのインデックス・ファンドの運用担当者は、9月半ば以降、解約が高水準で推移していると話す。「相場に過熱感があると感じる投資家が多い」という。

東海東京調査センターのマーケットアナリスト、仙石誠氏は、日経平均が96年以降、2万円回復後に何度も押し戻された過去の記憶が、上昇相場に乗り切れない個人投資家を生み出す一因となったと分析する。

「妙な経験則に縛られている。15年8月のチャイナ・ショック後の株安で、個人投資家の押し目買い意欲も減退した。上昇相場に乗れているのはバイ・アンド・ホールドを行ってきた投資家だけ」(仙石氏)と話す。

<資産効果に疑問>

バブル期と今とでは、日本株を取り巻く環境は大きく変化している。東京証券取引所が公表する投資部門別株式保有比率によると、16年度の「外国法人等」の保有比率は30.1%。主体別の比率として最も高く、92年度の6.3%から23.8ポイント上昇した。

一方、92年度で42.9%とトップだった金融機関は28.4%まで低下。個人投資家の比率も20.7%から17.1%に落ち込んでいる。海外勢の動向に日本株が大きく左右される理由がここにある。

海外勢が主役の東京市場の株高が、国内で資産効果による消費刺激をもたらすかは不透明だ。高額消費関連銘柄の年初来のパフォーマンスをみると、三越伊勢丹ホールディングス(3099.T)が1.4%の下落。J.フロント リテイリング(3086.T)は11.4%高、高島屋(8233.T)も11.0%高となっているが、上昇率では日経平均(20.0%)を下回っている。直近1カ月の3社の騰落率をみても、日経平均をアンダーパフォームしている。

「日本の当局は、本気で個人投資家を育てようとしていない」。憤りを隠さないのはノースアイランド投資顧問代表の白石茂治氏だ。1964年に旧山一証券に入社後、アナリストやファンドマネージャーを経て、外資系運用会社の常務も経験した白石氏は、東証が株式売買単位を100株に統一する取り組みを続ける中、企業の株式併合が相次いでいることに疑問を投げかける。

1000株単位で取引された株式が100株単位に変更されても、同時に企業が10株を1株に株式併合すれば、最低購入金額は変わらない。白石氏は「株式併合は企業側が選択することとはいえ、個人投資家の分散投資を阻害する動きであることには変わらない。貯蓄から投資を促進しようとする姿勢がないといわれても何らおかしくはない」と訴える。

今回の株高は、日本の個人投資家にとって大きな「機会損失」となるのか。いずれ検証される事象にもなりそうだ。

長田善行 編集:伊賀大記

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