[東京 17日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比323円18銭高の2万7333円79銭と、反発して取引を終えた。欧米での金融システム不安がいったん落ち着きをみせ、投資家心理が改善した。一方、買い一巡後は戻り待ちの売りが上値を抑えた。銀行株や保険株の戻りの鈍さも意識された。
日経平均は前営業日比200円超高でスタートした。米ハイテク株高を受けて半導体関連や電子部品がしっかりとなったほか、中国人観光客の本格回復への思惑のあるインバウンド(訪日客)関連銘柄は堅調だった。
前日まで売られていた金融株にも買い戻しが入った。ただ、業種別の銀行指数は0.6%高、保険指数は0.2%安で、日経平均やTOPIXの上昇率を下回った。市場では「投資家の警戒感は根強いとみられ、金融株の戻りは想定以上に鈍かった」(国内運用会社のストラテジスト)との声が聞かれた。
前日の米国市場では、米中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクに対し大手行11行が300億ドル支援すると発表し、金融株が買い戻されていた。
日経平均は午後に345円高の2万7356円15銭へと上値を伸ばす場面があったが、200日移動平均線(2万7361円71銭=17日)が抵抗線になり伸び悩んだ。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、上値追いは手控えられた。
市場では「FOMCを過ぎて相場が落ち着きを取り戻せば2万8000円もあり得るが、それには先行きの利上げ停止の見通しがつくなどの材料が必要だろう」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との見方が聞かれた。
TOPIXは1.15%高の1959.42ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比1.15%高の1008.19ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は3兆6788億1700万円だった。東証33業種では、値上がりは空運業や精密機器、陸運業など26業種で、値下がりは石油・石炭製品や建設業、海運業など7業種だった。
アドバンテストは昨年来高値を更新。みずほフィナンシャルグループはしっかり。サンリオはストップ高だった。一方、大成建設が大幅安。東京海上ホールディングスはさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1350銘柄(73%)、値下がりは423銘柄(23%)、変わらずは62銘柄(3%)だった。
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