[東京 30日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小幅に3日続落した。米株高を受けて朝方に反発で始まった後、新型コロナウイルス感染拡大への警戒感や月末の手じまい売りに押され、徐々に上げ幅を縮小。後場では前日終値(2万8812円61銭=29日)近辺でのもみあいが継続し、大引けにかけてマイナス転換した。日経平均は昨年9月以降10カ月連続で月末安というアノマリーが続いている。
29日の米国株式市場は好調な消費者信頼感指数を受け、米アップルなどハイテク株が買われ、ナスダック総合は終値で過去最高値を更新。東京株式市場でもナスダック高の流れを引き継ぎ、半導体関連などハイテク株では買いが先行した。
日経平均はこのところ新型コロナ感染拡大への警戒感が重しとなり、上値の重い展開が継続している。岩井コスモ証券の投資情報センター長、林卓郎氏は「ワクチン接種の拡大という材料も、変異ウイルスに対する警戒感などで少しずつ物足りなくなっている」との見方を示した。7月1日に6月ISM製造業景況指数、2日に米雇用統計の公表を控え見送りムードが強まるなか、月末安のアノマリーも意識され「マーケットの状況が整う月初までは手じまい売りをするとみている」(林氏)という。
TOPIXは続落し0.30%安。東証1部の売買代金は2兆3477億3100万円。東証33業種では、鉄鋼、食料品、精密機器などの25業種が寝値下がり。サービス業、情報・通信業、その他金融業などの8業種は値上がりした。
個別では、エーザイが5%超安となったほか、ダイキン工業、アステラス製薬なども軟調。エムスリー、中外製薬、テルモは堅調に推移した。
東証1部の騰落数は、値上がり786銘柄に対し、値下がりが1296銘柄、変わらずが108銘柄だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 28791.53 -21.08 28896.31 28,779.76─28,998.99
TOPIX 1943.57 -5.91 1956.36 1,943.57─1,960.37
東証出来高(万株) 96336.00 東証売買代金(億円) 23477.31
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