[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比290円34銭高の2万8234円29銭と、4日続伸して取引を終えた。ドル高/円安が進む中、輸出関連株を中心に物色が広がり、前日までの強い基調が継続した。高値引けとなり、心理的節目2万8000円を終値でも上回った。
日経平均は、前日の米国市場で株高となる中、買い優勢で始まった。機械や自動車といった輸出関連株が円安による業績改善期待で買われたほか、原油高を背景に鉱業など資源株も高かった。グロース(成長)株と目される銘柄も買いが先行した。
米金融引き締めの織り込みが進み、国内や中国経済の正常化期待が出るなど、リスク要因に対する過度な懸念が和らぎ「これまで売られた銘柄のショートカバーが続いた」(国内証券)との見方が出ていた。
午後も日経平均は高値圏でのもみあいが続き、強い基調を維持。米株先物が軟調に推移する中、朝方に強かった半導体製造装置関連はさえない動きとなったが、指数は高値で引けた。
市場では「日本株はドルベースでは右肩下がりで、海外勢からは割安にみえる。積極的ではないにしろ、カバーが入りやすい」(ピクテ投信投資顧問の糸島孝俊ストラテジスト)との指摘が聞かれた。
3月25日につけた戻り高値2万8338円81銭は捉えきれなかった。この水準を上回れば上昇に弾みがつくとみられる一方、市場では過熱感への警戒感もくすぶっている。
TOPIXは1.18%高の1969.98ポイントで取引を終了。東証プライム市場の売買代金は3兆0101億8900万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や不動産業、卸売業など29業種で、値下がりは海運業や保険業、銀行業など4業種だった。
トヨタ自動車やファナックがしっかりだったほか、ソフトバンクグループ、INPEXも買われた。一方、東京エレクトロン、日本郵船はさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1413銘柄(76%)、値下がりは356銘柄(19%)、変わらずは69銘柄(3%)だった
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