[東京 20日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比18円81銭高の2万7531円94銭と、小幅に反発して取引を終えた。今晩の米市場が休場となっているほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や日銀正副総裁候補の所信聴取を控え、積極的な買いは手控えられた。新規材料も乏しく、終日方向感に欠く値動きとなった。
日経平均は寄り付きで16円安と、売りが先行した。一時、前営業日比約80円安まで下げ幅を広げる場面があったが、前場中ごろにはプラス転換し、小幅高の水準で一進一退の値動きとなった。前週末の米国市場で、ハイテク株比率の高いナスダック総合が下落して取引を終えたほか、フィラデルフィア半導体指数(SOX)が1.6%安と続落したことから、東京市場でも日経平均への寄与度の高い半導体銘柄が売られ、指数の重しとなった。
後場に入ってからも明確な方向感はみられず、前営業日の終値を挟んでもみ合う展開が継続。日経平均の値幅は1日を通して105円程度にとどまった。
米国では、このところ発表された経済指標がインフレの高止まりと堅調な労働市場や個人消費を示したことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるタカ派寄りの発言が相次いでいる。今週は22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されることから、投資家は動きづらい状況にいる。東海東京調査センターの中村貴司シニアストラテジストは、「足元の強い経済指標を受けて、年内の利下げ期待など、このところの市場の楽観論は後退しつつある」と指摘。その上で、「FOMCの議事要旨の内容や週後半のFRB高官発言を見極めたい投資家が多いので、積極的に買いづらい」(中村氏)との見方を示した。
加えて、24日には衆院で日銀次期総裁候補、植田和男氏への所信聴取を控えている。中村氏は「基本的には週内は狭いレンジでの値動きを想定しているが、発言内容によっては(日経平均)が大きく上下する可能性も排除できない」と指摘した。
TOPIXは0.39%高の1999.71ポイントで取引を終了。東証プライム市場指数は0.39%高の1028.97ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は2兆2925億7500万円だった。東証33業種では、証券業やパルプ・紙、その他金融業など26業種が値上がり。海運業や鉱業、電気機器など7業種は値下がりした。
個別では、東京エレクトロンは1.5%安と、終日軟調に推移した。一方、17日に有料動画配信サービス「Paravi(パラビ)」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)と3月31日に経営統合すると発表したUSEN―NEXT HOLDINGSは堅調に推移し、4.5%高で取引を終えた。
プライム市場の騰落数は、値上がり1310銘柄(71%)に対し、値下がりが467銘柄(25%)、変わらずが60銘柄(3%)だった。
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