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前場の日経平均は続伸、円安と過熱警戒の綱引きで一進一退に

 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比44円16銭高の2万8278円45銭と続伸した。小安く寄り付いた後は、前日終値を挟んだ一進一退となった。写真は東京証券取引所で2012年7月撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 9日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比44円16銭高の2万8278円45銭と続伸した。小安く寄り付いた後は、前日終値を挟んだ一進一退となった。円安進行による輸出企業などの業績改善期待と、連日の株高を受けた短期的な過熱感への警戒とが綱引きになった。

日経平均は、前日の米国市場での株安を受けて小安く寄り付いた。その後、プラスに切り返し、一時88円09銭高の2万8322円38銭に上昇する場面があった。

円安による輸出企業の業績改善期待を背景に、自動車株がしっかり。経済再開期待も根強く、百貨店やアパレルなど小売の一角や不動産が買われた。原油高を受けて、鉱業も高かった。

一方、米フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)が下落しており、半導体製造装置関連は上値が重かった。

日経平均は、買い一巡後に3月25日の戻り高値2万8338円81銭が節目として強く意識され、上値を抑えられた。前日までの4日間で約800円上昇しており、市場では短期的なスピード調整への警戒感がくすぶった。

米欧での景気減速が警戒される一方、日本は経済再開やインバウンドなどへの期待が持てるほか金融政策も対照的だとして、市場では「日本株が消去法的に選ばれやすい環境にある」(水戸証券の酒井一チーフファンドマネージャー)との見方が出ている。ただ、新規の材料に乏しい中では、上値を追うというより「外部要因で株安となる際に押し目を拾うスタンスがよさそうだ」(酒井氏)という。

TOPIXは0.15%高の1972.84ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆5370億9700万円だった。東証33業種では、値上がりは鉱業や銀行業、繊維業など21業種で、値下がりは海運業や電気・ガス業、鉄鋼など12業種だった。

個別では、トヨタ自動車やINPEXがしっかり。ファーストリテイリングも堅調だった。一方、東京エレクトロンや日本郵船は軟調だった。上場2日目のANYCOLORの初値は公開価格の3.1倍の4810円となり、午前の取引を5470円で終えた。一時ストップ高水準に上昇した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが910銘柄(49%)、値下がりは840銘柄(45%)、変わらずは86銘柄(4%)だった。

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