[東京 11日 ロイター] - 午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比635円14銭安の2万6480円97銭と、大幅続落した。前日の米国株式市場が下落したことを嫌気し、幅広く売られた。とりわけ、注目されたのが半導体関連株の下落で、米政府による中国向け半導体製造装置輸出規制の強化は日本株のムードも悪化させる要因となっている。
10日の米国株式市場は続落。ハイテク株や半導体株の売りが膨らんだが、これはバイデン米政権が7日、半導体製造装置の対中輸出規制の適用対象を大幅に拡大する一連の包括的な措置を発表したことが大きいという。フィラデルフィア半導体指数は3.5%安となり、連休明けの日本株は半導体関連株を中心に厳しい下げ相場となった。
一方、旅行関連株や金融株が堅調で、指数の下げは大きいながらも全面安とはなっていない。旅行関連株はきょうから新型コロナウイルスの水際対策が大幅に緩和されるほか、政府による「全国旅行支援」がスタートすることが好感された。
市場では、当面の材料として13日に発表される米国の消費者物価指数(CPI)が注目されている。そこでは、金融政策への影響というよりも「大きく下振れした場合は、これまでとは逆の意味で懸念され、リセッションへの警戒感が高まることになる」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との声が聞かれる。
TOPIXは1.60%安で午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆6634億1600万円だった。東証33業種では、28業種が下落し、値上がりは5業種にとどまっている。
個別では、東京エレクトロンが大幅に下落したほか、ソニーグループなど主力銘柄も総じて安く、ファーストリテイリングも軟調。半面、JR東日本が買われ、三井住友フィナンシャルグループも高い。
プライム市場の騰落数は、値上がり229銘柄(12%)に対し、値下がりが1567銘柄(85%)、変わらずが40銘柄(2%)だった。
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