[東京 23日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比66円24銭安の2万7400円37銭と、反落した。欧米の金融システム不安が再燃し、米国で主要3指数が下落したことから、東京市場でも金融株を中心に売られた。為替が前日の取引時間中と比べ円高となっていることも、自動車などの輸出関連株の重しとなった。
日経平均は233円安でスタート。その後は、指数寄与度の大きい半導体関連銘柄への買いや米株先物の上昇などが支えとなり、前引けにかけて徐々に下げ幅を縮小した。
前日の米国市場では、イエレン財務長官が、連邦預金保険公社(FDIC)の預金保険対象を全ての預金に拡大することは検討されていないと述べたことで、金融株が下落し、主要3指数がそろって大幅下落した。この流れを受け、東京市場でも銀行や保険などの金融セクターを中心に売りが優勢となった。ドル/円相場が円高に振れていることで、輸出関連銘柄もさえなかった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は想定通りだったが、前日のイエレン氏の発言が市場の重しとなった」と指摘。金融システム不安を巡っては、日本に直接的な影響はないとの見方を示しつつも、「銀行の貸し出し態度の悪化などが日本に波及する可能性はあり、投資家心理を冷やしている側面がある」(上野氏)という。同氏は、しばらくは2万7000円台で推移する公算が高いとみている。
TOPIXは0.44%安の1954.33ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆2446億9400万円だった。東証33業種では、ゴム製品やサービス業、空運業など11業種が値上がり。医薬品や銀行業、保険業など22業種は値下がりした。
個別では、みずほフィナンシャルグループは1.1%安、三井住友フィナンシャルグループが1.3%安、東京海上ホールディングスが0.7%安となった。主力のトヨタ自動車も小安かった。
指数寄与度の大きい東京エレクトロンは1.5%高、アドバンテストは2%高と、半導体関連銘柄の一角が堅調に推移した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが703銘柄(38%)、値下がりが1036銘柄(56%)、変わらずが97銘柄(5%)だった。
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