[東京 12日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比341円77銭安の2万2131円14銭となり、大幅続落となった。前日の米国株式市場が大きく下げたほか、円高が警戒されて売り優勢で始まり、2万2000円を下回った。ただ、時間外取引で米株先物が堅調だったことから中盤から戻り歩調となり、前引け段階では2万2000円を維持した。
11日の米国株式市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で示された厳しい経済見通しを織り込む中で新型コロナウイルスの感染第2波を巡る懸念が再燃し主要3指数が5%超下落、3月中旬以来の大幅な下げとなった。ダウ工業株30種.DJIは1861ドル(6.9%)の急落。さらに、外為市場でドル/円が円高基調にあることも懸念された。
これらを受けて、東京市場も朝方は利益確定売りが先行。きょう算出された先物・オプション6月限SQ(特別清算指数)に絡んだ売り注文も加わり、日経平均は一時2万2000円を下回った。しかし、その後は、時間外取引で米株先物が堅調に推移していることから戻り歩調となり、前引けでは2万2000円台を維持した。
市場では「米株先物が高くなったことから、戻り歩調に転じた。後場には日銀のETF買いも想定されるため、下げ渋る状態が続くのではないか」(SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏)との声が聞かれる。
さらに「流動性相場の時は上げのスピードも速いが、調整もダイナミックになる。短期筋のふるい落としが済んだ後は、再び相場が上向くのではないか」(東海東京調査センターの中村貴司氏)といった指摘もあった。 TOPIXは0.81%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆9495億3500億円となった。東証33業種では、非鉄金属、鉱業、倉庫・運輸関連業を中心に全業種下落。個別では、トヨタ自動車7203.T、ソニー6758.Tなど主力株が総じて安く、ソフトバンクグループ9984.Tも軟調。半面、朝安だったファーストリテイリング9983.Tが前場中盤からプラスに浮上し、任天堂7974.Tも高い。 東証1部の騰落数は、値上がりが160銘柄に対し、値下がりが1985銘柄、変わらずが22銘柄だった。
日経平均は戻り歩調。SQ(特別清算指数)算出後に付けたきょうの高値を更新し、上値を追う展開になった。市場では「押し目買いが入っている。急ピッチで上がったことを考えれば、きょうの深い押しも通常の調整の範囲内と言えそうだ。後場には日銀のETF買いも想定されるため、下げ渋る状態が続くのではないか」(SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏)との声が聞かれる。
日経平均は安値圏で推移。時間外取引で米株先物が堅調なことを受けて、いったん戻り歩調に転じたものの、再び売りが優勢となっている。市場では「押したところには買いは入るものの、外為市場でドル/円が円高に振れ気味なのが気にかかる。それを警戒して戻りに慎重となっているようだ」(国内証券)との声が聞かれた。
寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比390円79銭安の2万2082円12銭となり、大幅続落で始まった。前日の米国株式市場の下げを嫌気している。その後も下げ続け、1日に回復して以来の2万2000円台を割れとなった。きょう算出する6月限SQ(特別清算指数)に絡んだ注文も売り超過になったとみられる。
市場関係者によると、新興株式市場の寄り前の板状況は、マザーズ上場のメルカリ4385.T、アンジェス4563.T、弁護士ドットコム6027.Tが売り優勢。フリー4478.Tは買い優勢、ラクス3923.Tは売り買い拮抗。
ジャスダック上場の日本マクドナルドホールディングス2702.T、ワークマン7564.T、ハーモニック・ドライブ・システムズ6324.T、セリア2782.T、東映アニメーション4816.Tは売り優勢となっている。
*内容を追加します。
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