[東京 9日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は、不安定さが残ることになりそうだ。前週末の米国株高の流れを引き継ぎ、小じっかりで始まるとみられるが、米中貿易戦争を巡る不安が強く、戻りを試す動きは限られる。日中は人民元や中国株、為替の動向次第で荒い値動きとなることも予想される。
日経平均の予想レンジは2万1600円─2万2000円。
6日の米国株市場は上昇。6月米雇用統計で雇用者数の底堅い伸びが示されたことが支えとなり、主要3指数が上昇した。一方、賃金の伸びが緩やかだったことなどから、市場が織り込む年内の利上げ確率がやや後退。ドル/円は110円台前半で上値の重い展開となった。シカゴの日経平均先物9月限(円建て)清算値は2万1795円、大阪取引所の夜間終値は2万1810円だった。週明けの東京市場は同水準を意識し、小じっかりでのスタートが見込まれる。
米中による追加関税の発動で今後貿易戦争が激化するとの警戒感が強く、買い戻しが先行しても上値余地は限られるとの見方が多い。市場では「前週末の日経平均上昇は米株高を先取りしていた面もあり、単純に米株高を好感ということにはならないだろう。日本では西日本豪雨によるライフラインへの影響が広範囲に及んでいる。マーケットへの反応がどうなるか読みにくい」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資ストラテジストの三浦誠一氏)との声も出ている。
主なスケジュールは、5月国際収支(財務省)、6月景気ウオッチャー調査(内閣府)が発表される。海外で重要な経済指標の発表は予定されていない。
前営業日終値 年初来高値 年初来安値
日経平均.N225 21788.14 24129.34 20347.49
+241.15 2018年1月23日 2018年3月26日
シカゴ日経平均先物9月限 21795(円建て)
*内容を追加しました
河口浩一