[東京 17日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は、反発が想定されている。欧米の金融不安がいったん和らぎ米国株が上昇した流れを引き継ぎ、底堅い展開が見込まれている。ここ数日で大幅下落した金融株に買い戻しが入るほか、前日の米テクノロジー株の上昇を受けハイテク株も物色されそうだ。ただ、週末を控えている上に新規材料が乏しく、取引一巡後は小動きとなる見通し。
日経平均の予想レンジは2万7000円─2万7200円。
前日の米国主要3指数はそろって上昇した。財務省や連邦準備理事会(FRB)などの当局が、中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクに対し11行が300億ドル支援すると発表し金融株が大きく買い戻された。テクノロジー株も買われ、ナスダック総合は昨年2月2日以来の好調なパフォーマンスとなった。
きょうの日本株市場は、欧米の金融不安がいったん和らいだことで買いが先行しそうだ。物色動向としては、銀行株や保険株など大きく売り込まれていた金融セクターに買い戻しが入る見通し。為替が前日の取引時間中に比べて円安に振れていることも、支援材料となりそうだ。
岡地証券の投資情報室長・森裕恭氏は、欧州中央銀行(ECB)が16日、0.5%の利上げを決定したことで、「当局が一連の銀行破綻を金融システム全体への不安につながると想定せずインフレ抑制を優先したことで、投資家の不安心理も和らいだ」と指摘する。きょうの日本株市場は、欧米の金融不安を背景にしたリスク回避の動きは限定的になりそうだとみている。
前日の米市場ではナスダック総合が2%超高となっており、半導体や電子部品などハイテク銘柄もしっかりと推移する見通し。森氏は「米労働市場は依然としてひっ迫しており、米景気がノーランディングで終わるとの見方も優勢になっている」と指摘。米経済の堅調さがハイテク株の買い安心感につながりやすいとの見方を示した。
ただ、足元は手掛かりが少ないため、買いが一服した後は小幅な値動きでもみ合う展開となりそうだ。
主なスケジュールでは、国内で10─12月資金循環統計(日銀)、1月第3次産業活動指数(経済産業省)などが公表される予定。海外では、米国で3月ミシガン大消費者信頼感指数速報値などが発表予定となっている。
前営業日終値 昨年来高値 昨年来安値
日経平均 27010.61 29388.16 24681.74
-218.87 2022/01/0 2022/03/0
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シカゴ日経平均先物当限 27025(円建て)
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