[東京 17日 ロイター] - 今日の東京株式市場で日経平均は、軟調な展開が想定されている。注目されていた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げ実施時期の見通しを前倒ししたほか、FOMC後の記者会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がテーパリング(量的緩和の縮小)について「討議することを開始した」と表明。タカ派的なニュアンスとなったことを受けて、市場では警戒感が広がりそうだ。ただ、下値は限られるとの見方が多い。
日経平均の予想レンジは2万9000円─2万9300円。
16日の米国株式市場は主要3株価指数がいずれも下落して取引を終えた。FRB当局者が2023年に利上げを実施するとの見通しを示し、市場の想定よりも早い時期の利上げが示唆されたことで投資家の間に不安感が広がった。
FRBの最新の金利見通しでは、当局者18人のうち過半数の11人が23年に少なくとも2回の25ベーシスポイント(bp)利上げを予想していることが示された。
現在のドル/円は110.70円付近で、前日午後3時時点の110.00円付近から円安。シカゴの日経平均先物9月限(円建て)清算値は2万9330円と前営業日終値から38円ほど高い水準での推移となっている。FOMCでは市場が警戒していたタカ派的なニュアンスが見受けられたものの、大きな売りにはつながらないとみる市場関係者は多い。
ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏は、16日のナスダック総合が0.24%安にとどまったことに注目。「日経平均を構成する値がさハイテク株は大きく売り込まれない可能性がある。為替の円安進行も支えとなり、下げ幅は限定的となるだろう」との見方を示した。「FOMCは市場のイメージよりタカ派ではあるものの、市場の見立てから大きく離れているわけではない。過度な警戒感にはつながらないだろう」という。
主なスケジュールでは、国内で日銀金融政策決定会合1日目が予定されている。中国では5月新築住宅価格、米国では6月フィラデルフィア地区連銀業況指数、5月景気先行指数(コンファレンス・ボード)がそれぞれ発表される。
前営業日終値 年初来高値 年初来安値
日経平均 29291.01 30714.52 27002.18
-150.29 2021年2月16日 2021年1月6日
シカゴ日経平均先物9月限 29330(円建て)
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