[東京 11日 ロイター] - きょうの東京株式市場で日経平均株価は、急反 発する展開が想定されている。市場で警戒された米消費者物価指数(CPI)でインフレ の伸び鈍化が示され、米株価が急騰した流れを引き継ぎ、上昇で始まるとみられる。幅広 く買い戻され、心理的節目の2万8000円も視野に入りそうだ。一方、ドル安/円高が 急速に進んでおり、輸出関連株などには一定の重しになるとみられる。 日経平均の予想レンジは2万7800円―2万8200円。 前日の米国株式市場は急反発した。主要株価3指数は、いずれも約2年半ぶりの大幅 な上昇率を記録した。10月の消費者物価指数(CPI)伸び率が鈍化したことで、米連 邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速させるとの観測が高まり、あらゆるセクタ ーに買いが広がった。 10月のCPIは前年比伸び率が7.7%と9月の8.2%から鈍化。8カ月ぶりに 8%を下回った。インフレがピークアウトした兆しを示し、米連邦準備理事会(FRB) が利上げペースを落とすとの思惑につながった。金利先物市場が織り込む12月の米連邦 公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅は75ベーシスポイント(bp)ではなく50 bpになるという確率が、約85%に上昇。CPI発表前は52%だった。 日経平均は、米株急騰の流れを受け、買い優勢になると見込まれる。米長期金利の低 下は、米国の引き締め懸念が重しとなってきたグロース株に追い風となる。米フィラデル フィア半導体指数(SOX指数)が10.2%上昇し、国内半導体関連株や電子部品株が 支援されそうだ。原油価格の上昇で、鉱業など石油関連の強含みも見込まれる。 市場では「先高感が芽生えてきており、底入れムードにつながりそうだ」(ニッセイ 基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)との声が聞かれる。一方、ドル安/円 高が進行しており、輸出関連株などには重しになりやすい。「日本株はもともと底堅かっ た上、良い材料と悪い材料が入り混じっている。目先は米株ほどの上昇率は想定しにくい 」(井手氏)ともみられている。 心理的節目2万8000円が視野に入ってきそうだが、節目付近ではいったん利益確 定や戻り待ちの売りが重しになるともみられている。 きょうは国内で10月企業物価指数などの発表があるほか、ソフトバンクグループ<9 984.T>、東芝、日本郵政などの決算が発表される。米国では11月ミシ ガン大消費者信頼感指数速報値、英国では7─9期のGDP速報値が発表される。 前営業日終 年初来高値 年初来安値 値 日経平均 27446.10 29388.16 24681.74 -270.33 2022/01/05 2022/03/09 シカゴ日経 27975(円 平均先物当 建て) 限
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