[東京 27日 ロイター] - 今週の東京株式市場は上値が重い展開が予想される。新型コロナウイルスによる肺炎の感染者・死者が増加しつつあり、投資家心理を圧迫している。個別株は決算発表の内容で物色されそうだが、全体的には買いづらい地合いが続くとみられる。中国国外でも新型肺炎の拡大が確認される事態になればリスクオフムードが強まり、下値を模索する可能性もある。
日経平均の予想レンジは2万2900─2万3900円。
中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は感染が拡大し、患者数は中国国内で2000人を超え、死者は56人に達している。中国以外では今のところ死者は報告されていないものの、これまでに日本、タイ、オーストラリア、米国、フランス、カナダなどで患者が確認されている[nL4N29V0DI]。感染がどこまで広がるか不透明なため、積極的にリスクをとりにくい。
日経平均は17日に2万4115円95銭まで上昇。昨年来高値を更新したが、その後は伸び悩み、2万4000円台での重さが意識されている。中国の株式市場は春節休みのため休場で、中国株の動向を通じてセンチメントを見極められない。ネガティブな材料が出た場合は下方向への値幅が出やすいとみられる。
今週は国内企業の決算発表も本格化してくる。信越化学工業4063.T、NEC6701.T、アドバンテスト6857.T、ファナック6954.T、キヤノン7751.T、東京エレクトロン8035.T、アンリツ6754.T、任天堂7974.Tなどが予定。半導体、5Gなどのハイテク関連がどのように来期以降の見通しを示すのかも注目される。
23日に第3・四半期決算を発表した日本電産6594.Tは、24日の取引で高く寄りついたものの、その後は売りに押され、最終的に前営業日比2.41%安で引けた。市場からは「永守会長は業績の底打ち感を強調したものの、株価がついてこなかった。新型肺炎の感染が拡大する中、景気回復の後ずれに対する懸念も出やすい」(国内証券)との声も出ていた。
海外では、米連邦公開市場委員会(FOMC)や米アップル決算、米10─12月期国内総生産(GDP)、英金融政策委員会などが予定されている。英国は日本時間2月1日午前8時に欧州連合(EU)を離脱する。
株式マーケットチーム
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」