[東京 8日 ロイター] - 今週の東京株式市場で日経平均は2万3000円台を回復する展開が予想されている。12日にメジャーSQ(特別清算指数)算出を控え、先物の買い戻しが強まる可能性がある。直近の急上昇により高値警戒感は強いものの、日銀のETF(上場投資信託)買いに対する期待も根強く、調整が入っても下値は限定的とみる向きが多い。
日経平均の予想レンジは、2万2500円─2万3300円。
香港や新型コロナウイルスを巡る米中対立の先鋭化や、黒人男性の死亡事件を受けた米国内での抗議デモ拡大など悪材料はあるものの、株価はほとんど下落せず上昇基調を維持している。5日の日経平均は5連騰、終値は2月21日以来約3カ月半ぶりの高値となった。直近1週間(6月1─5日)で1000円、2週間では2300円超の上昇となっている。
今週は日本で8日に1─3月期実質国内総生産(GDP)改定値、10日に4月機械受注がそれぞれ発表されれるほか、12日にメジャーSQ算出日を控えている。米国では9─10日に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。
FOMCでは政策の据え置きが予想されており、声明文やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見の内容に関心が向かっている。東海東京調査センター・シニアエクイティマーケットアナリストの仙石誠氏は、「直近の株価上昇は財政政策と金融緩和が主な要因。今後も金融緩和トーンが継続するか否かが引き続き注目ポイントとなる。仮に金融緩和のトーンが薄れると、利食い売りが出やすくなる」との見方を示した。
市場では、12日のメジャーSQが短期的な相場の転換点となるとの指摘も多い。SBI証券・シニアマーケットアドバイザーの雨宮京子氏は「メジャーSQを境目に調整局面に入るとみられるが、日銀のETF買いもあり、下値は限定的となるのではないか。警戒すべきはメジャーSQ後の週」と指摘する。
そのほか、物色傾向については「直近のバリュー株と出遅れ株の物色が継続するとみられる。4月機械受注の内容によっては関連する機械株が買われる可能性もある」(国内証券)との声も出ていた。
(株式マーケットチーム)
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