[東京 5日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、節目の2万9000円を意識した動きが想定されている。米国株式市場での一連の投機的な動きに対する警戒感は後退し、投資家心理に安定化の兆しが現れつつあるなか、東京株式市場では全体的な底上げの動きが加速しそうだとみられている。国内3月期決算企業の第3・四半期決算発表がピークを迎えることもあり、引き続き決算を材料視した個別物色も注目される。
日経平均の予想レンジは、2万8400円─2万9200円。
来週はトヨタ自動車をはじめとする主要企業の決算を控えている。先に決算を発表したデンソー、アイシン精機などの系列企業が相次いで上方修正を発表したこともあり、トヨタへの期待は一段と高まっている。市場では「トヨタは保守的な予想を組む傾向があるため、上方修正への期待が高まりやすい。注目ポイントとしては、世界的に半導体不足となるなか、会社がどの程度影響を織り込むかだ」(いちよし証券の銘柄情報課長、及川敬司氏)との声が出ていた。
一方で、ハイテク企業の決算を材料視した物色が一巡するなか、出遅れていた景気敏感株を買い戻す動きも注目されている。2月第1週目の東京株式市場は、日経平均が4.03%上昇する一方、TOPIXは4.54%上昇し昨年来高値を更新、2018年1月以来の水準となった。グロース株を中心とする値がさ株に先導されやすい日経平均の上昇率を上回っており、出遅れ株の物色が活発化している。
市場では「足元で機関投資家はリスク管理において、バリュー株、出遅れ株を中心に組み入れているようだ。ただ、グロース株も強い基調では売るに売れず、結果として全体の底上げとなっている」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が聞かれた。市場全体が踏み上げモードとなるなか、日経平均、TOPIXともに上値を追う展開となる可能性がある。
主なスケジュールでは、トヨタ自動車のほかソフトバンクグループ、大成建設、富士フイルムホールディングス、資生堂、日産自動車などが企業決算を控えている。10日はアールプランナーが東証マザーズに新規上場する。11日は建国記念の日で休場となる。
株式マーケットチーム
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