[東京 14日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、底堅い展開が想定されている。米国では連邦公開市場委員会(FOMC)を翌週に控えて金融政策面の材料が乏しくなる一方、企業決算シーズンに入ることから、堅調な業績が確認されれば日本株にもプラスとの期待感がある。国内では新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、政府の対応に関心が寄せられる。
日経平均の予想レンジは2万7800円―2万8600円
市場の最大の関心事は米金融政策の行方だが、1月のFOMCを控えてメンバーが金融政策についての発言を禁じられるブラックアウト期間に入り「金融引き締めが警戒されるような材料は出にくくなる」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)とみられている。
米企業の決算シーズンが始まっており、インフレや供給制約が意識される中でも業績堅調となれば、日本株にも支援材料になると期待する声が出ている。
一方、東京市場では、外食や百貨店、旅行、空運、鉄道などリオープン(経済再開)銘柄の上値が重い展開が続いている。新型コロナの感染が急拡大する中、濃厚接触者として行動制限のかかる人が増えれば、工場などの生産現場にも悪影響が広がり経済正常化が遅れかねないと警戒する声も出ている。
新型コロナの主流となりつつあるオミクロン株は、デルタ株に比べて感染力が強いとされ新規感染者数の増加ペースは早いが重症化率は低いとの見方もあり、経済界からは濃厚接触者の隔離期間短縮や水際対策の見直しなどを求める声が挙がっている。
厚生労働省に助言する専門家組織の会合で濃厚接触者の待機期間を短縮する案が出ていると報じられているが、市場では「待機期間の短縮だけでなく海外からの入国緩和など、オミクロン株はデルタ株ほどの脅威ではないとのメッセージを、国民の理解を得られる形で政策として示すかがポイント」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)との指摘が出ている。
国内では、17―18日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。展望レポートの公表も予定され、物価見通しに関心が寄せられる。中国では17日に10―12月実質国内総生産(GDP)のほか、12月の小売売上高や鉱工業生産などの発表が予定されている。
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