[東京 24日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、横ばい圏の推移が想定されている。日銀の次期正副総裁候補の所信聴取を無難に通過し、株式市場には買い安心感が広がった一方、米国のインフレ動向や米金融政策を巡る不透明感は相場の重しとなりそうだ。来週も2万7000円台での値動きが予想され、値幅は限定的になるとみられている。物色動向としては、引き続き低PBR(株価純資産倍率)銘柄への買いが入るのではないか、との指摘が出ている。
日経平均の予想レンジは2万7000―2万7700円。
<SBI証券 投資調査部長 鈴木英之氏>
「来週は強弱材料が混じる中、日経平均は横ばいの値動きとなりそうだ。日銀の正副総裁候補の所信聴取を無難に通過し、底堅い展開が続くと予想される一方、米金融引き締めの長期化懸念は重しとなりそうだ。日経平均は2万7500円を超えると戻り売りが出る可能性もあるとみている。東証は今春にもPBRが継続して1倍を割っている企業に改善に向けた取り組みや進捗状況の開示を要請する方針で、物色面では低PBR株が引き続き買われそうだ。期末に向けた配当取りも予想され、銀行株を中心とした銘柄が上昇しやすいのではないか。ドル/円相場の円安基調も企業業績面では輸出株の支援材料となりそうだ」
<フィリップ証券 アナリスト 笹木和弘氏>
「足元では、時価総額の大きい銘柄がしっかりと推移しており、長期の機関投資家の資金が入っている印象を受ける。日銀の正副総裁候補の所信聴取で、しばらくは金融緩和が継続するとの見方が強まった点も踏まえると、下値を探り、軟調な展開は見込みづらい。ただ、2万8000円に向けて大きく上昇する可能性も低く、2万7700円程度では上値を抑えられそうだ。ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経ち、地政学リスクの高まりには注意が必要だ。目先、ウクライナ情勢で緊張が一段と高まった場合は、リスクオフ姿勢が強まるとみられ、株価の下押し圧力がかかりやすいとみている」
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