[東京 22日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、新たなレンジを探ることになりそうだ。海外勢による日本株買いのモメンタム継続への思惑がある一方、過熱感への警戒も根強い。米債務上限問題や、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて利上げの行方への警戒感がくすぶる中、いったんのスピード調整はあってもおかしくないとみられており、ボラティリティーが高まる可能性がある。
日経平均の予想レンジは2万9500円─3万1500円。
<三菱UFJ国際投信 チーフストラテジスト 石金淳氏>
「日本株は過熱感が強まっており、短期の目線ではいつ反落してもおかしくない。スピード調整はあるのが自然で、ボラティリティーが高まる可能性がある。足元では、6月FOMCでもう一度、利上げするかどうかを巡って米連邦準備理事会(FRB)のスタンスが揺らいでおり、利上げの行方を読み解く週になるだろう」
「当面は新たなレンジを探ることになりそうだ。上昇に弾みがつき、上値をどこまで伸ばすか読みにくい一方、なかなか上抜けなかった昨年8月高値2万9222円を上回り、今度は2万9500円付近がサポートになり得る。長期目線では、押し目買いスタンスでいいだろう」
<インベスコ・アセット・マネジメント グローバル・マーケット・ストラテジスト 木下智夫氏>
「日本株のパフォーマンスの良さに中長期資金を運用するグローバルファンドマネージャーの関心も高まってきており、上値余地はまだあるだろう。一方、広島サミット後には、再び米債務上限を巡る交渉が待ち受けており、大きなリスクになりそうだ。2011年は米国債が格下げされてリスクオフになった。交渉の行方に加え、格下げの有無には注意が必要だ」
「FOMC議事要旨では、足元で6月の利上げへの警戒感がくすぶる中、利上げ停止の見方が強まれば株価は一段高が促されそうだ。ただ、先行きの景気懸念が払拭されたとは言い難い。一段高となる場合、そこが目先の天井となる可能性があり、株価はいったん調整するのではないか」
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