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大日住薬に厳しい評価、米セプラコールの特許切れに懸念

 8月4日、大日本住友製薬が発表した米セプラコール買収について、市場からは厳しい評価が出ている。写真は都内の大日本住友製薬の看板(2009年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

 [東京 4日 ロイター] 大日本住友製薬4506.Tが3日に発表した米製薬会社セプラコールSEPR.O(マサチューセッツ州)の買収について、市場からは厳しい評価が出ている。セプラコールの売上高の約80%を稼ぎ出している主力薬が2013―14年に特許切れを迎えるためだ。

 米国進出の第一歩となる統合失調症治療薬「ルラシドン」の販売が軌道に乗る前に特許切れを迎えると、収益面で大きく足を引っ張る要因になりかねない。

 買収の発表により、3日の東京株式市場で一時年初来高値を付けていた大日住薬株は、4日には一転して急反落し、3日終値比62円安の963円で取引を終えた。

 市場関係者が懸念しているのは、セプラコールの主力薬の特許問題だ。クレディスイス証券アナリストの酒井文雄氏は「大日本住友製薬の規模の会社にとっては高い買収だ。セプラコールの主力薬が数年内に特許切れとなることもリスクだ。2013年度からセプラコールの業績は下降局面に入る」と指摘している。

 セプラコールの2008年12月期の売上高12億9200万ドルのうち、睡眠導入剤「ルネスタ」が6億ドル、ぜんそく薬「ゾペネックス」が4億4100万ドルと約80%を占めているが、この2品の米国での特許が2013―14年に切れる。

 これらの特許切れを「ルラシドン」でカバーするには、1000億円規模の売上げが必要になる。多田正世社長は3日の会見で「ルラシドン」の売上げ規模について「今の時点で申し上げる状況にない」と述べるにとどめている。現時点では、2010年初めに米食品医薬品局(FDA)に承認申請を行い、2011年には認可・発売を予定しているが、FDAの審査期間は想定よりも長期化する傾向にある。

 モルガンスタンレー証券は「米国での認可が2012―13年ごろまで遅れるようならば、セプラコールの業績悪化懸念が浮上する」と、4日付のレポートで言及している。

 米社の買収金額は約2400億円で、大日本住友の10年3月期売上高予想の2640億円に匹敵する規模。買収金額が高過ぎるのではないかとの懸念に対し、多田社長は「(申請中の)抗てんかん薬『ステデサ』も2013年ごろから寄与してくれるのではないかと期待している。ルラシドンの販売が思ったように伸びないケースも検討した上で、この買収価格は妥当であり、財務体質からみて管理可能であると判断した」と述べ、今回の買収に大きな懸念はないと強調している。

 (ロイター日本語ニュース 清水 律子記者;編集 田巻 一彦)

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