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G20が金融機関の報酬制限検討を要請、金融政策の継続を確認

 [ロンドン 5日 ロイター] 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は5日、景気回復が確実になるまで金融・財政政策の継続を確認する一方で、回復が確認できれば危機対応策を平時に戻す「出口戦略」の必要性も盛り込んだ声明を採択し閉幕した。

 9月5日、G20が金融機関の報酬制限検討を要請。代表撮影(2009年 ロイター)

 焦点となっていた金融機関の報酬問題については、金融安定化理事会(FSB)に対し「変動報酬全体を制限するアプローチ」を検討するよう要請。金融規制の強化に関しては、景気回復を前提に銀行の自己資本の質・量の向上を求めることで合意した。世界経済は下げ止まりの動きが明確になりつつあり、議論の中心は危機対応から再発防止に向けた金融規制の構築に移ってきた。

 <金融・財政政策の継続確認>

 声明は足元の状況について「金融市場は安定化してきており、世界経済は改善している」と評価。ただ、成長と雇用の見通しについては引き続き慎重な見方を示し、「景気回復が確実になるまで、物価の安定と長期的な財政の持続可能性と整合的に、必要な金融支援措置および拡張的金融・財政政策の断固たる実施を継続する」ことを確認した。

 ガイトナー米財務長官は、閉幕にあたって発表した声明で「民間需要主導の持続的な景気回復に向かう環境はまだ整っていない」と指摘した上で、G20各国は経済の基盤がしっかりしたものとなるまで刺激策を続ける必要がある、と強調した。

 ダーリング英財務相も「だれも仕事が終わったと考えてはならない。討議すべき多くのリスク、不確実性、障害がある」と警戒感を崩さなかった。

 <出口戦略は各国で時期異なる>

 共同声明は、危機対応の「異例の政策」を平時に戻す「出口問題」についても言及した。「景気回復がしっかりと確保されていくにつれて、財政政策、金融政策および金融セクター政策での例外的な支援を戻すための透明で信頼性あるプロセスの必要性について合意した」とした上で「国際通貨基金(IMF)およびFSBと協働し、行動の規模、時期および順序が国および政策手段の種類によって異なることを認識しつつ、協力的で調和した出口戦略を作成する」と明記した。

 トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は「われわれは、出口モードに入る方法を知っている。だれもそれに反論していない、それが極めて重要だ。その一方で、そうした時期にはまだ至っていない。危機終了を宣言するのは早過ぎる」と慎重な見方を示したが、一方で「しかし、われわれ独自の判断、われわれのインフレリスクやインフレ期待抑制に関する分析を踏まえて必要と考えれば、その時は必要なことをする」とも語った。

 このほか、共同声明では、IMFの運営において、インドや中国といった新興国がより強い発言力を持つべきだと指摘し、これを実現するため、9月下旬に米ピッツバーグで開催されるG20首脳会合(金融サミット)での「実質的な進展」に期待感を表明した。

 <報酬問題はFSBに検討要請>

 今回の会合では、金融システムの強化に向けた宣言も採択した。規制当局は、リスクの高いトレーディング、オフバランスシート項目および証券化商品に対するより厳格な資本を求めることで合意。「景気回復が確実になれば、銀行に対し保有自己資本の量と質の向上を求めること」で一致した。さらに、必要に応じて資本を増強するため、内部に留保する利益の割合を高めるよう求めた。

 焦点となっていた報酬問題については、一部の国・地域が求めていた具体的な上限規制では合意できず、FSBに対し報酬体系に関する国際基準の策定を求めるとともに「変動報酬全体を制限するアプローチ」について検討するよう要請した。

 ドラーギFSB議長は「銀行は今が資本を再構築する好機だ。彼らは配当や自社株買い戻し、報酬支給などを決める際、資本の再構築が何よりも優先課題であることを念頭に置くべきだ」と指摘。ガイトナー米財務長官も、安定した金融システムを確保するためには規制を強化する必要があり、銀行の報酬などの問題の解決を市場に委ねることはできない、との認識を示した。

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