[東京 11日 ロイター] みずほ証券アジアの小原篤次・アジア株式調査部長は、2009年は中国がIPOで世界トップになる可能性があるとしている。調達額は年間で170億ドルを超える見通し。
同氏によると、09年1─8月までのIPOによる調達額は累計で、中国が111億ドル、米国60億ドル、香港36億ドル。新華社は8月27日、中国証券監督管理委員会(CSRC)が年内に予定されている23社、計407億元(約60億ドル)規模のIPOを承認したと報じており、これまでの調達額とあわせると年間の調達額は170億ドルを超える見通し。同氏は「米国に大型のIPOがない限り、中国が初めて世界のIPO市場でトップになる可能性が高い」としている。
中国が年内に予定しているIPOの中には、建設やエンジニアリング会社の中国中冶のIPOも含まれている。同社は上海市場で190億人民元(約28億ドル)、香港市場で196億香港ドル(約25億ドル)の株式発行を予定している。
小原氏は、IPOの相場に与える影響について「既存銘柄の利益確定売りなど、一時的に需給悪化の原因になりうる」と指摘している。
(ロイター日本語ニュース 岩崎成子記者)