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藤井財務相発言:識者はこうみる

 [東京 17日 ロイター] 藤井裕久財務相は17日未明、初閣議後に財務省で記者会見し、政府と日銀の関係について、政府が金融政策に介入すべきではないと述べ、日銀の独立性を尊重する考えを示した。為替政策については、輸出のために円が安ければいいという考えは違うと指摘。為替介入について常識的な範囲ではあり得ないと述べた。同発言を受けての市場関係者の見方は以下のとおり。 

 9月17日、藤井裕久財務相は、初閣議後に財務省で記者会見し、政府と日銀の関係について、政府が金融政策に介入すべきではないと述べ、日銀の独立性を尊重する考えを示した(2009年 ロイター/Issei Kato)

●無秩序な動きに対処の姿勢変わらず、円最高値までに介入の可能性

 <BOAメリルリンチ日本証券FXストラテジスト 藤井知子氏>

 藤井新財務相の発言が市場関係者の耳目を集めたのは、これまで当局が「注視している」などの発言にとどめていたことを、あらためてはっきりと言葉にしたためだろう。介入しないとは言ってないし、急激な変動があれば対応するとのスタンスは、自民党政権時代の当局の姿勢と変わりがない。介入における協調の必要性に言及したのも、もっともだ。前政権と実質的に大きな差があるとは思えない。市場がパニック的になり、米債など為替以外の金融市場も荒れてマクロ経済にマイナスを及ぼすようなG7がいう「無秩序な動き(disorderly movement)」となれば、協調介入が行われる可能性はある。

 従来から介入の可能性が高まるラインは85円割れだと考えてきた。今回の発言を受けて、多少はそのラインが下がる可能性もあると見ている。85円割れから臨戦態勢で、円の最高値にあたる79.75円までには実施されるだろう。ただ、日本の総選挙後に実施したメリルのファンドマネージャー調査では、日本株のアンダーウエート比率が以前より高まっている。逃げ足の速い投機資金だけで円高が続くかは疑問だ。

●円高進めば、より慎重な発言に

 <ドイツ証券 シニア為替ストラテジスト 深谷幸司> 

 為替市場は民主党が為替介入に消極的であることを十分認識しているが、昨日(16日)は藤井財務相が改めてこのスタンスを明言したため、投機筋の円買いを誘った。本日のドル/円相場は、既に発言前の水準を回復しており、民主党が介入に対して消極的であるために、円高が進むという必然性はない。 

 一方、民主党が輸出から内需主導の経済への構造転換を政策目標に掲げていることは、購買力重視という政策につながり、市場の円高観測を強め、投機筋はこれを円高材料と見なすだろう。今後一段と円高が進行した場合は、とりあえず介入はしないにしても、(輸出)企業に配慮して、藤井氏の発言はより慎重なものに変化するだろう。 

 しかし、中長期的に為替相場を左右するのは、当局のスタンスではなく、日米欧の金利水準やマクロバランスだ。日本のマクロバランスは、景気低迷・デフレ環境のもとで、貿易収支の悪化や、税収減・追加景気対策の実施による財政収支悪化が懸念され、これらの帰結として円安圧力も考えられる。

●君子豹変もありうる

 <ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏>

 藤井財務相の円高がいいとする発言は原則論であり、国家100年の大計として正しい認識だ。ただ、われわれは日本経済を悲観的にみており、日本の雇用を下支えている雇用調整助成金の効果を除けば失業率は米国並み。また、円も割高と考えており輸出企業には厳しい環境になっている。円高のデフレ効果も考えれば来年夏の参院選をにらんで君子豹変はありうる。

 実際、細川政権で蔵相を務めた時期は、在任234営業日中46営業日で介入を実施している。それも105円レベルで連日介入した時期もあり、藤井財務相が介入に否定的ということはないとみている。

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