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原油/株/通貨でリスクトレード活発化、鈍い日本株

 [東京 20日 ロイター] 20日の金融市場は海外でリスク資産が買われた影響で株高、資源国通貨高となった。原油もアジア時間に80ドルを突破し約1年ぶりの高値まで上昇した。ファンダメンタルズをみて動いているというよりも、値動きの良い資産にマネーが流れる動きが鮮明だ。

 10月20日、金融市場は海外でリスク資産が買われた影響で株高、資源国通貨高に。写真は都内の株価ボード。昨年11月s撮影(2009年 ロイター/Toru Hanai)

 ただ、円高懸念が付きまとう日本株は相変わらず、反応は鈍い。こうした中で、安全資産とされる債券市場では国債の増発懸念もあり、やや投資家は引き気味のスタンスだ。 

 <東京株、出遅れ修正進まず> 

 東京株式市場で日経平均は反発。アップルAAPL.Oやテキサス・インスツルメンツ(TI)TXN.Nなど米ハイテク企業の決算が好感された。ただアップルにフラッシュメモリーを供給する東芝6502.Tは一時年初来高値を更新したものの、利益確定売りが出て前日比マイナスで前場を終了するなど影響は限定的。一方、高値水準にあるコモディティ価格や1バレル=80ドルを突破した原油先物を好感し鉱業や商社がしっかり。

 市場では「米国株高の理由をファンダメンタルズの改善に求めるのは後講釈的だ。マクロ指標自体はまちまちであり、トレンドが変化したわけではない。ドルから資源国に流れたマネーがコモディティ価格などを押し上げ、米市場のエネルギー株を上昇させ、米株高につながっているという構図が続いている」(みずほインベスターズ証券エクイティ情報部長の稲泉雄朗氏)との声が出ている。

 ただ、日本株の出遅れも修正されたわけではなく、銀行株などは伸び悩み気味。第一生命経済研究所・主席エコノミストの嶌峰義清氏は「米企業決算は予想比で上振れなど概ね良い数字で、株式市場は好感している一方、国内企業決算は円高というリスクファクターがあるので、米企業の決算と同じような反応は期待できないのではないか」と指摘する。

 拡大する財政赤字や新規国債発行額についても懸念が出ている。嶌峰氏は「米国と中国の持ち直しの背景には、大規模な財政支出の効果があるが、国内は政権交代で政策不安が強く、海外投資家は様子見姿勢を強めている。財政については、国債発行の拡大で債券市場が大きく動くとは思えない半面、2010年度以降の削減議論のなかで、どこを削るかによって該当分野の銘柄が売買されるなど株式市場への影響は出てくるだろう」と述べる。

 みずほ総研シニアエコノミストの武内浩二氏は「大切なのは2010年度の国債発行が44兆円で抑えられるかということだ。その水準を抑えられないと、財政規律を守れないとの見方から、現在様子見姿勢の外国人投資家が日本から引き揚げ、株価にも影響してくる」と話す。

 <ドル指数、再び安値更新>

 外為市場では、米国株が1年超ぶりの高値を付けたことを受け、リスク選好トレードが活発化した。豪ドル、NZドル、ユーロなどが対米ドルで続伸する一方で、ドル/円は引き続き蚊帳の外に置かれたが、クロス円での円売りとドル全面安の綱引きのなか、徐々に下値を切り下げた。

 市場では「株高でまず商品や豪ドル、NZドルなどのリスク資産が買われ、それがユーロや欧州通貨に波及して、ドルが一段と安くなるという流れ」(外銀)とみる。

 ドルの主要6通貨に対するICEフューチャーズUS(旧NY商品取引所)ドル指数は75.117と昨年8月以来14カ月ぶりの安値を更新した。

 豪ドルは、予想外の利上げを決定した際の豪準備銀行(RBA、中央銀行)の議事録の内容が発表されたことをきっかけに、0.93米ドル台に乗せ、14カ月ぶりの高値を更新した。

 「RBAの議事録は一時の藤井財務相を彷彿とさせるものがある。各国が自国通貨安の輸出振興を望むなかで、豪ドル高の容認姿勢を打ち出した。少なくとも市場ではそう解釈された」(信託銀)という。

 クロス円で日本勢は概して売り需要(ヘッジ売りを含む)が強いが、ファンド勢などの海外投機筋は「ドルキャリーで欧州通貨や資源国通貨を買うディールが多く、現状では外国勢の威力が勝って、結果的にクロス円が底堅い値動きになっている」(同)という。 

 <20年入札、弱めに終わる> 

 一方、円債市場は軟調。前月末から10月初めまでの強気相場の調整局面が続いている。この日は、20年債入札を控えた買いづらさや国債増発に対する警戒感が上値を抑える要因となった。

 今年度の2次補正、来年度の新規国債発行で増発懸念を指摘する声も増えているが、市場では「まだ具体的に増発を織り込むまでには至っていない」(国内証券)という。一部では「国債増発に対する注目度合いが、春などに比べて低下している。すでに増発を消化して金利が下がってきたという事実があるので、警戒感がやや薄い」(外資系証券)との声もある。ただ、じりじりと上昇する金利をにらみながら落ち着きどころを探りたい、として買い手控える向きもいる。

 20年債入札入札は応札倍率3.02倍、最低落札価格が99円90銭(最高落札利回り2.1070%)となり、テールが18銭と流れた。市場では、弱めの結果と受け止められ、その後、流通市場で20年債利回りは2bp高い2.110%と8月下旬以来の高い水準まで上昇した。

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集 宮崎亜巳)

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