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新興国市場はバブルの可能性、直ぐには崩壊しない見通し

 [ニューヨーク 23日 ロイター] 米国の住宅バブル崩壊で世界的な金融危機が顕在化して1年余りで、新興国市場では新たな資産バブルが発生している可能性がある。だだ、投資家の新興国資産選好が強いため、このバブルは当面続くとの見方が出ている。

 10月23日、米国の住宅バブル崩壊で世界的な金融危機が顕在化して1年余りで、新興国市場では新たな資産バブルが発生している可能性がある。写真は中国・陝西省の証券会社内に設置された株価ボード。9月撮影(2009年 ロイター)

 今年3月以来、新興国への資金流入が続いている。高いリターンを求める投資家は、中国やブラジルなどの国が今後数年、先進国経済の低迷が続くなか、世界経済の成長をけん引するとみている。

 これらの資金流入に加え、各国中央銀行の金融危機対策に伴う資金供給を背景にMSCI新興国株価指数は年初来70%以上上昇。

 MSCI中南米株価指数の年初来上昇率も90%以上で、ブラジル通貨レアルの対ドル相場は30%以上上昇している。

 新興国資産上昇の大半は、昨年大幅安となった相場の戻りに過ぎないものの、一部投資家の間ではラリーは始まったばかりで、今後の相場修正は短期的なものに限られるとの見方が出ている。

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のチーフエコノミスト、デビッド・ワイス氏は「新興国の一部株式市場ではバブルが形成されている可能性があると思う。中南米ばかりではなく、アジアでも同種のパターンがみえる」と指摘。「利回りを求めている多額のキャッシュがある。もはや年間19%の利回りが得られないということがまったく信じられない訳ではない」と述べ、1980年代と09年代のS&P総合500種の平均リターンに言及した。

 資産運用会社GMOの共同創業者で投資責任者のジェレミー・グランサム氏は「配当割引モデルでは新興国市場はすでに割高だ。しかし価値の限界を超えるような訴求力がある。換言すればバブルになる」と述べた。

 <バブル破裂は早計か>

 多くの発展途上国政府は、自国通貨高が輸出企業の脅威になるとして国内への資金流入急増に懸念を示している。

 資本流入急増対策が講じられてきたが、今のところ効果は限定的だ。ブラジルは国内の株式・債券投資に流入する資金に対し、2%の金融取引税を導入したが、ボベスパ株価指数とレアル相場の下げは一時期なものに終わった。同株価指数は年初来では約75%上昇しており、2010年第1・四半期末までにさらに15%上昇すると予想されている。

 調査会社EPFRグローバルによると、新興国投資意欲の高まりを背景に新興国株式ファンドへの流入額は今年、前年の流出額を上回り、07年の過去最高を更新する見通し。 

 新興国投資が直ぐに弱まる公算は低い。

 UBSのエコノミストは「株式と新興国市場へのアロケーションが増えているが、相場は依然、過去10年の最高値にはとどいていない。バブルはアジアの資産価格に表れるかもしれないが、破裂すると考えるのは時期尚早だ」と述べた。

 (Walter Brandimarte記者;翻訳 宮本辰男;編集 宮崎 大)

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