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JAL再建は支援機構を活用へ、事実上国の管理下に

 [東京 29日 ロイター] JAL9205.Tは29日、企業再生支援機構に対して再生支援を依頼するとともに事前相談を開始したと発表した。

 10月29日、JAL再建は企業再生支援機構を活用し、事実上国の管理下に。写真は都内のJAL本社。27日撮影(2009年 ロイター/Toru Hanai)

 同時に前原誠司国土交通相の直属組織である「JAL再生タスクフォース」(リーダー・高木新二郎野村証券顧問)は、資産査定結果と再生計画を国交相に提出して組織を解散すると表明。巨額の金融支援をめぐりタスクフォースと金融機関や財務省などの対立が続くなか、JALの再生主体は1兆6000億円の資金枠を持つ支援機構に委ねられ、同機構が新たな再建計画を練り直すことになった。支援機構が支援を正式決定するには1カ月程度の独自の資産査定が必要なため、11月中にも資金ショートが起こりうるとの懸念も出る中で、JAL再生は事実上、国の管理下で進むことになった。

 JALの西松遥社長は同日午後、有用な経営資源を持ちながら過剰な債務に苦しむ企業を再建するため政府が設立した企業再生支援機構を訪れ、正式に支援要請を行った。一方、タスクフォースのメンバーは国交省を訪れ、過去1カ月間に策定したJALの資産査定結果および再生計画を前原国交相に手渡した。支援機構は今後、改めて資産査定を始め、再建計画をまとめる。

 会見した前原国交相は「タスクフォース側からJALの再生は可能との報告を受けた」としたうえで「日本の空の便数6割を占めるJALは公的色彩が極めて強い企業」と述べ、支援機構を通じて国が再建に関与する必要性を示した。

 国交相とは別に会見したタスクフォースのメンバーは、自らが策定した資産査定結果と再建計画の詳細については、「公表してはいけないと言われている」(高木リーダー)と述べた上で、「JALは会社がなくなっててしまうほどの危機的状況」(サブリーダーの冨山和彦氏)で、数千億円規模の金融支援を柱とした計画を提出したことを示唆した。

 再建計画の骨子は、「機材の小型化や路線の改廃、水ぶくれした組織の削減」(冨山氏)で、年金債務の削減とともに、「お上頼み体質で内向き」(高木氏)な経営陣の若返りなども指摘したという。

 当初自らJALの経営に参画する意欲を示していたタスクフォースが、再建を支援機構に委ねる結果となった背景について、「(JALに必要な)巨額資金を拠出できる民間はいない。出資・融資が可能であるのが最大の理由」(高木氏)と述べた。再生主体が換わることで、JALの資金調達に不可欠な再建計画の策定が遅れることが懸念されるが、元産業再生機構出身の高木氏は「支援機構にも再生機構出身のよく知っている若手が多く、我々の案をベースに計画を立案してくれるだろう」と期待を表明した。

 3300億円とされる年金債務の圧縮のためには法的整理が必要との指摘もあるが、法的整理を手段として選ばなかった理由について、「法的整理では資材取り引きの現金化などで更に巨額の資金が必要」(冨山氏)なうえ、「年金債務は優先再建とみなされ削減できないリスクもある」(高木氏)と説明した。

 同時に、タスクフォースによる作業は、結果的にJAL再建に無駄でなかったかとの質問に対して、高木氏は「我々は財務状況を明らかにすることで再生を早めたのであって、(指摘は)とんでもない」と怒りを表した。

(ロイターニュース 竹本 能文記者)

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