[東京 25日 ロイター] 外国為替市場でドル/円は87.55円まで下落。またドル/円の急落をきっかけに、夕方の取引ではドルが広範に下落。ユーロ/ドルが節目だった1.50ドルを大きく上抜けて一時1.5046ドルと11月11日以来2週間ぶり高値を更新、ドルの値動きを示すドル指数.DXYは昨年8月以来1年2カ月ぶり低水準を記録した。
ドル安に関する市場関係者の見方は以下の通り。
●ドル87.10円割れも、クロス円のポジション調整に注目
<ソシエテジェネラル銀行 外国為替本部長 斎藤裕司氏>
ドル/円は88円付近にあったオプションをにらんだ攻防が続いていたが、ここを割り込んだことでドル売りに弾みがついた。さらに、感謝祭休日を控えて豪ドル/円や英ポンド/円などクロス円にポジション調整の動きが出ており、ドル/円を押し下げている。
欧州勢に続いて米国勢の動きが焦点になるが、ドル・ストレートの買い戻しが出たとしても豪ドルやポンドの売りがクロス円の下げにつながるとみており、ドル/円単体よりはクロス円からの波及に注目している。ドル/円は年初来安値(87.10円)を割り込む可能性もある。
●ドルの下値は86円台まで、日米金利差が下支え
<大和総研・為替ストラテジスト、亀岡裕次氏>
ドル/円は年初来安値である87.10円が視野に入ってきた。ここを割り込むとドル売りに弾みがつきそうだが、下げても86円台までとみている。
ドル/円については2年物を中心とする日米金利差との相関が強いが、年初来安値をつけた今年1─2月よりは現在のほうが金利差は広がっており、これがドル/円の下支えになるとみている。きょうは米新規失業保険申請件数が発表されるが、50万人を割り込むようなら米金利に上昇圧力がかかりそうだ。リスク選好を高めてドル売りにつながる可能性もあるが、ドル/円については金利がサポートするとみている。