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期日接近で株売り圧力強まる、需給は不安定続く

 水野 文也記者

 11月26日、相場を取り巻く環境が悪化する中、信用取引の高値期日接近に伴う処分売りも株価の下げ材料として注目されている。写真は都内の株価ボード。9月撮影(2009年 ロイター/Toru Hanai)

 [東京 26日 ロイター] 相場を取り巻く環境が悪化する中、信用取引の高値期日接近に伴う処分売りも株価の下げ材料として注目されている。公募増資増加による希薄化とは別に、12月中旬にかけ期日が集中することがの需給悪化要因として浮上しており、株価の不安定な状態が続きそうだ。

 この処分売りが一巡すれば需給の改善から下げ渋る可能性があるが、先行きに明るさが感じられないうちは、期日通過後のリバウンドといった過去の経験則が通用しないとの見方も出ている。

 株式市場では相場低迷の理由について、頭文字を取って「3D」或いは「4D」、そして「JFK」などに注目している。3つの「D」は、デフレ、民主党の政策(DNPの頭文字)、ダイリューション(公募増資ラッシュに伴う希薄化)を示す。さらに、直近では進行したドル安/円高が4つめのDとして加わり、世界的に株価が復調する中で独歩安となった日本株が国内の独自事情で下げていることを説明するフレーズとして広まった。

 一方の「JFK」は、JとFが日本とファイナンスの略で、Jがデフレや政策、ドル安/円高なども括っているとすれば、ここまでは「4D」と同じ。最後のKは期日の略で、信用取引で買い建てた玉の処分売りの活発化が、相場低迷に拍車をかけたという点である。期日は環境面の材料とはニュアンスが異なり、直接的に市場にインパクトを与える材料と言えそうだ。

 今年の相場を振り返ると、日経平均が年初来高値を記録したのが、総選挙における民主党の圧勝を受けた8月31日。しかし、主力株については6月の戻り高値形成時に天井を打った銘柄も少なくなく、その高値期日が近づいてきた現段階で、建てた買い玉を処分する動きが活発化、相場の下落を促す要因になっているとの指摘がある。

 一般的に信用取引の高値期日が接近した銘柄は「期日ギリギリまで引っ張るケースは多くない。大まかなトレンドとしては、期日の1カ月前後に諦める形で投げが活発化。そこで売りが出切った後は『期日向かい』と呼ばれるリバウンド相場に発展するケースがある」(準大手証券情報担当者)という。過去の経験則に従うと、期日が集中する12月中旬から1カ月を切った現時点こそ、相場観とは関係なく売りが出やすくなるわけだ。

 12月に期日が到来する主な銘柄を表に示したが、指数への影響が大きい金融株のほか新興国経済の拡大で成長が期待される資源関連株が目立つ。環境関連株の主役クラスで個人にも人気が高いGSユアサ6674.Tの期日が接近している点が、現在の相場で個人投資家の動きが鈍い一因になっているとの見方もあった。

 他方、ドル高/円安が嫌気されている輸出関連株に関しては、パナソニック6752.Tやトヨタ自動車7203.Tなど主力どころが8月に年初来高値を形成。期日到来は2月となるため、12月期日の銘柄に比べると日程的に余裕があるが、逆に言えば上値のヤレヤレ売りが多いことを意味しており、積極的に上値を買いづらくするのは想像に難くない。

 こうした点を踏まえ市場では「『3D』を下落理由にするとわかりやすいが、本当にそれで下げているのか疑わしい部分がある。26日は円高が進んだにもかかわらず、輸出関連株は下げ渋った。理由が明確でない場合は、信用取引の反対売買や投機的な仕掛けに起因することが多く、今回もそのような印象が強い」(大手生保系投信運用担当者)との指摘もある。

 丸三証券・専務の水野善四郎氏は「ネット証券を利用する投資家は損切りが早い上、対面営業の投資家も無理な建て方はしない。期日接近は以前に比べて影響は小さくなっていると思われるが、それでも処分売りが一巡すれば需給改善につながる」とした上で「売り切ったら上昇に転じるのは、先行きの展望が見通せた場合。現在は、売りが一巡すれば下げ止まる可能性はあるものの、その後反発するには経済政策ビジョンがはっきり打ち出されるなど、先行きに明るさが感じられることが条件となる」とコメントしていた。

(ロイター日本語ニュース 編集 宮崎 大)

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