for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

ドル/円、ドバイ問題の広がり次第で一段の下落も

 [東京 27日 ロイター] 来週の外為市場では、引き続きドル/円の下値を探る展開が予想されている。ドル/円は、幅広いドル売りの流れのなかで急落したあと、ドバイの政府系企業の債務問題をきっかけにしたクロス円の下げにも圧迫されて14年ぶり安値を更新した。

 11月27日、来週の外為市場では、引き続きドル/円の下値を探る展開が予想されている。写真は韓国の銀行で昨年12月撮影(2009年 ロイター/Jo Yong-Hak)

 ドバイ問題の広がり次第ではドル/円の一段の下落もありうるとみる声が多い。一方で、当局がレートチェックに乗り出すなど緊張感を高めており、市場は介入も視野に入れ始めている。ドル/円は軟調地合いのなかで、介入レベルを試しにいこうとする市場と当局との駆け引きが続くとみられている。

 予想レンジはドルが83―88円、ユーロが1.47─1.50ドル。

 ドル/円は27日までに84.82円まで急落。14年ぶり安値を更新した。これまでの下げは、米国の緩和政策が長期化するとの観測から幅広くドル売りが進行するなかで、出遅れていたドル/円でもドル売りが強まったためだ。その後、ドバイの政府系企業の債務問題をきっかけにリスク回避の動きが強まり、26日の欧州株が大幅安となったほか、27日のアジア株も軒並み安。為替市場では幅広くドルと円の買い戻しが進んでおり、ユーロ/ドルや豪ドル/米ドルのほか、クロス円が幅広く調整する展開になっている。ドル売りは一服したものの、クロス円での円買いがドル/円にも波及するため「いずれにしろ、ドル/円は軟調地合いが続きそうだ」(国内銀行)という。

 市場関係者の関心は2点。ドバイ問題がどこまで広がるか、またドル/円の下落に背を押された当局が為替介入に向けてスタンスを強めるかだ。ドバイ問題は、ドバイ政府がドバイ・ワールド[DBWLD.UL]と系列の不動産開発会社ナヒール[NAKHD.UL]が抱える数百億ドルの債務について、債権者に返済の延期を要請すると発表したことが発端。「欧州の銀行を中心にプロジェクト・ファイナンスをつけていた銀行や、世界の建設・資材などのセクターに影響が出てくるが、そのインパクトはまだ不明だ。ただ、ドバイのCDSスプレッドの拡大は、もともと中東とともに新興国リスクが指摘されていた中東欧に波及する可能性はありそうだ」(草野グローバルフロンティア代表取締役 草野豊己氏)という。

 「不透明感が強いうちは、とりあえずリスクを回避する動きになる。当面、クロス円の下げがドル/円を圧迫するパターンが続くとみている」(邦銀)との声も聞かれた。

 為替介入については、ドル/円の下落とともに当局の緊張が強まってきたことに注目する声が出ている。藤井財務相は27日、「無秩序な動きには適切な対応をとるというのは国際的な約束だ」と強調。続けて「(適切な対応を)取ることもあり得る」と踏み込んだ。複数の外国為替市場関係者によると、政府・日銀は27日午前、外国為替市場で現在の為替レートを照会する「レートチェック」をドル/円で実施した。取引を前提に現在のレート提示を金融機関に求めた。

 バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は「日本政府が昨年10月のG7声明のような声明をとりつける可能性もある。それで市場が落ち着けばいいが、だめならさらに為替介入に向けて対応を進めるのではないか」と予想。当局のスタンスがドル/円の下値を支えるとみている。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は昨年10月、円相場の過度の変動について懸念を示した上で、「為替市場をよく注視し、適切に協力する」とする声明を発表した。当時の中川財務相兼金融担当相によると、このG7声明は日本の呼びかけによって実現した。

 一方で「市場は介入を視野には入れ始めているが、すぐにも切迫したムードはない。たとえ介入したとしても、ドバイ問題が深刻化すればクロス円の下落に飲み込まれる可能性もある」(邦銀)、「ドル/円以外では幅広くドルの買い戻しになっており、日本だけがドル買い介入というのはどうか。レートチェックも、介入ができないからレートチェックでけん制したとみることもできる」(国内銀行)との声も出ている。 

 イベント面では、当局の介入スタンスを探るうえでは、30日の白川日銀総裁の会見や定例の閣僚会見が注目されそうだ。海外中銀関係では、3日にECB理事会が予定されており、ドバイ問題への認識に関心が集まっている。1日には豪中銀理事会が予定されている。介入観測が出たスイスでは、30日にロート・スイス中銀総裁が講演する。2日には米地区連銀経済報告が発表される。指標面での最大の注目材料は、4日の11月米雇用統計。ほかに、1日に11月米ISM製造業景気指数、2日に11月全米雇用報告(ADP)、3日に11月米ISM非製造業景気指数が発表される。

(ロイター日本語ニュース 松平陽子)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up