[ニューヨーク 30日 ロイター] 民間調査会社によると、米国で金融機関が保有している商業用不動産ローンのデフォルト率が16年ぶり高水準に達した。今後も一段と悪化する見通し。
リアルエステート・エコノメトリクスによると、全米の商業用不動産ローンのデフォルト率(銀行、貯蓄機関、預金受け入れ金融機関が保有するオフィス、産業用施設、ホテル、商業施設向けローンで、90日以上延滞しているローンの比率)は第3・四半期に3.4%と、第2・四半期から0.52%ポイント上昇。1993年の4.1%以来の高水準となった。前四半期と比べた上昇率は、データが入手できる2003年以来最大となった。
物件別にみると、アパートメント向けローンのデフォルト率が第2・四半期の3.14%から3.58%に上昇。集合住宅ローンのデフォルト率は前年に比べ倍以上に達した。
金額ベースでは、返済が90日以上延びている商業用不動産ローンは44億ドルで、第2・四半期の35億ドルから増加した。
リアルエステート・エコノメトリクスは、デフォルト率は第4・四半期に4.0%に上昇した後、2010年末までに5.2%前後に達し、2011年に5.3%でピークを打つと予想している。