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三井住友FGが8000億円超の公募増資を正式発表

 [東京 6日 ロイター] 三井住友フィナンシャルグループ8316.Tは6日、オーバーアロットメントを含め最大3億6000万株の普通株発行による公募増資を実施すると正式発表した。調達額は手数料を除き8889億6800万円となる。

 1月6日、三井住友フィナンシャルグループがオーバーアロットメントを含め最大3億6000万株の普通株発行による公募増資を実施すると正式発表。写真は都内の三井住友銀行支店前で(2010年 ロイター/Toru Hanai) 

 昨年6月に公募増資で約8600億円を調達したばかりで、わずか半年余りで約1兆7000億円を集める異例の決断となった。国際的な自己資本規制強化の動きに対応するとともに、アジアなどの海外業務や投資銀行業務の強化に投入し、収益力の強化に結び付けたい考えだ。同時に、米ゴールドマン・サックス(GS)GS.Nが1000億円の優先株を普通株へ転換することも公表した。これにより、三井住友とGSの資本関係は解消することになった。

 3億4000万株を発行し、国内で1億6000万株、海外で1億8000万株を販売するグローバル・オファリングとする。需給をみて実施するオーバーアロットメントで最大2000万株の売り出しを行った場合、発行済み株式総数は35%増える。今回の増資で、利益剰余金と普通株を中心に構成されるコアTier1比率は5.9%から7%程度に引き上げられる。中核的自己資本(Tier1)比率は、国際的な新規制が始まる2013年に10%を超える水準を確保する。

 発行条件は1月20日から22日の間に決める。払込日は1月27日から29日までの間のいずかれの日とする。

 <資本の質向上のため、GS優先株を普株に転換、優先出資証券なども買い入れ>

 資本の質を向上させるために、ゴールドマン・サックスが保有する三井住友FGの優先株1000億円を普通株に転換することや、三井住友FGが過去に発行した優先出資証券などの外貨建てハイブリッド証券4本を最大4000億円規模で買い戻しする施策も発表した。

 三井住友は2003年にGSを引受先に1503億円の優先株を発行し、資本基盤を強化した。GSはすでに500億円を普通株に転換しており、残り1000億円分を今年中に普通株に転換する。転換後の普通株をGSは保有しないため、両社の資本関係は解消される。一方、三井住友がGSの顧客に最大21億ドルの信用保証枠を供与するなどの業務提携関係は継続する。

 <ROE10%台を公約、持ち合い株リスクを削減、不採算貸出も圧縮へ>

 大規模な希薄化を招くが、三井住友は中期的にROE(自己資本利益率)を現在の8%程度から10%台に引き上げる方針を表明。収益力を向上させて投資家の理解を得たい考えだ。欧米金融機関も自己資本を強化するために不採算事業の売却を検討しているとみて、アジアを中心に買収案件に臨機応変に乗り出す体制を整える。傘下に収めた日興コーディアル証券の投資銀行業務を強化するために、調達資金は同証券の資本増強にも充てる。

 成長資金を確保する一方で、事業ポートフォリオの見直しにも着手する。国内外の不採算の貸出を見直すほか、不採算事業の洗い出しも行う。政策保有株式のリスクを数千億円規模で削減し、現状のTier1の約40%から25%にまで減らす。こうした一連の施策で収益力を高める。

 三井住友FG幹部は6日夕、増資の理由について「規制のフレームワークが変わる。強靭(きょうじん)な資本基盤を整え、事業ポートフォーリオを再構築し、持続的な成長を遂げるためだ」と説明。新規制で、Tier1から引かれる繰り延べ税金資産などの控除項目が全額差し引かれても、コアTier1比率は5%を維持するとした。

 8000億円の使途については、2000億円をハイブリッド証券の買い戻しに、4000億円を規制対応に、2000億円を成長戦略投資に振り向けるとした。不採算資産の圧縮により捻出する5000億円も成長戦略投資に充てる。

 追加の資本調達の可能性については「ない」と明言した。

 <前回の公募価格3928円から大幅に下回る公募価格になる可能性も>

 三井住友の今回の増資は、新株発行から6カ月間は新たな発行を行わないとするロックアップ期間が明けた直後の大規模増資という異例の経営判断となった。昨年の公募価格3928円と比べると、今回の公募価格はそれを大幅に下回りかねず、投資家層からの反発を招きかねない。三井住友FG幹部は「(増資すべきかどうか)悩みもした。しかし、欧米金融機関や中国の銀行も増資に踏み切る可能性がある。(増資を)待つリスクがあると判断した」と語った。

 資本規制が国際的に強化される流れの中で、金融機関は自己資本の増強が最大の課題になっている。昨年12月には三菱UFJフィナンシャル・グループ8306.Tが08年末に続く2度目の公募増資で1兆円を調達するなど、金融機関は相次いで普通株の発行による中核的自己資本の強化に踏み出している。三菱UFJに続いて三井住友が増資に踏み切ることで、今後の焦点はみずほフィナンシャルグループ8411.Tの資本政策に移る。

(ロイター日本語ニュース 布施太郎、江本恵美)

*三井住友FG幹部のコメントを入れて再構成しました。

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