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焦点:オバマ米大統領、大衆迎合的な政策に傾斜か

 [ワシントン 19日 ロイター] オバマ米大統領は今月27日、今後1年間の政策運営方針を示す一般教書演説を行い、2月1日には予算教書も発表する。

 1月19日、オバマ大統領(写真)に大衆迎合的な傾向が強まるとの見方が出ている。昨年7月撮影(2010年 ロイター/Larry Downing)

 雇用対策や、ウォール街など特定利益団体との対決を最優先課題に掲げるとみられ、オバマ政権の大衆迎合的な傾向が強まるとの見方が出ている。

 1年前の就任時に約70%あったオバマ大統領の支持率は現在、約50%まで急落している。失業率は10%に悪化。11月の中間選挙で民主党が過半数議席を失う可能性も指摘されている。

 財政赤字は景気後退で1兆4000億ドルまで拡大した。一般教書や予算教書では、長期的な財政赤字削減の必要性を指摘するとみられるが、政権幹部は、短期的には雇用の創出が最優先課題と主張。大統領は金融規制改革法案の議会通過も強く訴える見通しだ。

 国家経済会議(NEC)のサマーズ委員長は「国家として雇用・経済の健全な拡大に失敗すれば、政権の目標はいずれも達成できないことになる。失業率が1ケタ台後半では、持続的な予算を実現することはできない」と発言。

 「したがって、雇用の大幅な伸びを確保することが最優先課題となる」と述べた。

 オバマ大統領と民主党指導部は、雇用創出と大手金融機関への課金という目標で足並みを揃えている。

 インフラ投資や州政府の公務員給与支払い支援などを盛り込んだ1550億ドル規模の雇用対策法案も先月、下院を通過。上院も同様の法案を審議する見通しだ。

 オバマ大統領は先週、大手金融機関に最大1170億ドルの「金融危機責任料」を課金する計画を発表。金融機関の「無謀なリスク追求」が2008─09年の金融危機の原因になったとし、「巨額の利益と常識外れの報酬」にメスを入れる決意を示した。

 <ウォール街への反感>

 米国民の間では大手金融機関の高額報酬に対する反感が強く、大統領もこれに乗じる形で金融機関への批判を展開している。

 オバマ氏は2008年の大統領選でも、特定利益団体との対決を公約に掲げていた。ただ、昨年発表した金融規制改革案をめぐっては、一部の民主党支持者から、大手金融機関に甘すぎるとの批判を浴びた。

 大統領が掲げる医療保険制度改革をめぐっては、共和党から、巨額の費用を要する経済介入との批判が相次いでおり、政治アナリストは、オバマ大統領が大衆迎合的な政策に傾くのは確実とみている。

 オバマ政権は、昨年成立した7870億ドル規模の景気対策で、第2の大恐慌を避けられたと主張しているが、共和党は、高失業率を理由に、対策の効果は薄く、無駄な支出だったと批判している。

 テキサス大学のブルース・ブキャナン教授は「オバマ大統領は様々な問題で強い反対にあい、支持率が低下している」と指摘。

 「支持率低下の背景には、医療保険改革などをめぐる野党の攻撃があり、大統領は自分から離れた有権者に支持を訴える必要がある」と述べた。

 同教授は、オバマ大統領には落ち着いたイメージがあるため、ウォール街を攻撃して「多少、感情的な支持を集める」ことが効果的かもしれないと指摘。

 フランクリン・アンド・マーシャル大学のテリー・マドンナ教授も「おそらく、大衆心理に訴えることが最も効果的な方法だろう」と述べた。

 (ロイターニュース Caren Bohan、翻訳:深滝 壱哉)

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